第139話 揺れすぎだろっ!!
『位置について~、よーい』
パンッ!!
「 「 「うわぁぁああ!! 頑張れ~っ!!!!」 」 」
遂に『文化部対抗マラソン』が始まっちまったぞっ!!
結局、俺は舞奈を『エロ男子共』の視線から守る方法が浮かばなかった……
この『文化部対抗マラソン』は別に学園の外に出て走る訳では無い。
学園のグラウンドの一周二百メートルあるトラックを二十周グルグル走るだけの競技だ。
約四キロ……
『文化部』の人間にこんな距離を走らせるなんて一体、学園は何を考えているんだ!?
ホント、『謎めいた学園』だぜ……
「おい、布津野っ!! そこどけよ!! 寿志光さんが見えないじゃないか!!」
「えっ? わっ…悪い悪い……」
って、何で俺がこんな『エロ男子』に謝らないといけないんだ!?
ちっ、畜生!!
でもマジで舞奈が走る度にあの大きな胸が揺れるシーンは凄すぎるよな……
って、俺がそんな事を思ってしまったらこいつ等と同類じゃねぇか!!
「フツオ~、お前さっきから何をブツブツ言ってるんだ~?」
「べっ…別に何でもねぇよ!!」
「お前、もしかしたら舞奈ちゃんの大きく揺れる胸を他の男子に見られるのが嫌で怒ってるんじゃないだろうな?」
「ちっ…違うよ!! 何て事言うんだお前は!?」
少し当たってるけどよ……
「そうだよな。違わないとおかしいよな? お前は別に舞奈ちゃんの彼氏でも何でも無いんだからな……」(ニヤッ)
こ…こいつ、鋭い所をついてくるよな!! モブオのくせに!!
しかし俺が考え過ぎているからかどうかは分からないが、全男子が舞奈の胸だけを見ている様に見えて仕方が無いぜっ!!
はぁぁ……何だか疲れてきたぞ……
「 「 「おーーーっ!!」 」 」
へっ? 何だ、今の歓声は!?
「一矢君、見て見て!!」
「くっ…紅伊奈、どうした?」
「舞奈が先頭に立ったわよっ!!」
「えっ?」
ほんとだ。舞奈の奴、マジで一着を狙っているのか?
別に無理しなくてもいいのにさぁ……
ん? でも後ろから数人が追い上げて来たぞ!!
あっ、あれは『ポジティ部 副部長』の……名前何だったかな……
そっ、そうだ……掛端英孝だっ!!
なんだかあいつ……凄くニヤニヤしながら走ってないか?
って事は余裕があるって事だよな?
うーん……一応、俺の『ファン』らしいが、なんだかむかつく奴だな。
その後に続いているのが……アレは『クリエイティ部 部長』の井羅須戸部長だな。あの人は見た目がボーイッシュで足が速そうに見えるよな。
ん? 井羅須戸部長の後ろを走っているのは『アーカイ部 部長』の法曹信也部長と『エグゼクティ部』の一流シェフ伏江先輩じゃないか!!
何か二人共ブツブツ言いながら走っている様に見えるんだが……?
あっ!! もしかして法曹部長は自分で走りながら『実況』をしているんじゃないのか!?
それと伏江先輩はきっと今度作る予定の料理のレシピや手順をブツブツ言っているような気がするな!!
あと一番後方で走っているのは『副会長』の仙道先輩なんだが……
あっ、そっか。そういえばあの人は『イニシアティ部 部長』でもあったよな!!
しかし、よく見たら色んな意味で凄い人達が走っているんだな。
なんだか舞奈が『普通』に見えて来たぞっ!!
でもやはりアイツの胸は『普通』とは言えないけどな。
「 「 「寿志光さん、頑張れ~っ!!」 」 」
うーん……。舞奈の胸が目的の男どもも一応、あいつの事を応援はしてくれているんだよなぁ……俺がとやかく思う必要は無いのかもしれないな……
「 「 「素志光さ~ん!!もっと腕を大きく振って~っ!! そして胸を前に突き出すんだ~っ!!」
駄目だ!! こいつ等はやっぱりクズ共だ!!
何が大きく腕を振れ……だっ!!
腕を大きく振ればその分、胸も大きく揺れるからそう言ってんだろっ!?
「一矢君、さっきから何をブツブツ言ってるんだい?」
「えっ? ああ、菜弥美部長!! べっ…別に何でも無いんですが、もしかしたらマラソンの人選を間違えてしまったかなぁ……って思いまして……」
「えっ、何で? 舞奈ちゃん凄く頑張ってるじゃない? それに今、先頭を走っているし……」
しまった。さすがに菜弥美部長に俺の本当の気持ちを言う訳にはいかないしな……
「ま…まぁそうなんですがね……。舞奈の奴、基本『頑張り屋』なんで、かなり無理をするんじゃないかと思いまして……現に今もかなり無理をして先頭を走っていると思うんですよ。まだあと十五週も残っているのに……」
「言われてみればそうね……。ちょっと最初から飛ばし過ぎているかもしれないわね……。今からでも遅く無いからペース落とすように言ってみようかしら?」
今の舞奈に菜弥美部長の声が届くだろうか?
あいつは性格が『マイナス思考』のくせに、いざとなったら一直線で周りが見えないところがあるからなぁ……でも……
「菜弥美部長お願いします!! 一度、部長から舞奈に言ってみてください!!」
「オッケー!! 分かったわ。少しペースを落とす様に言ってみるね」
「は…はい、お願いします!!」
「舞奈ちゃ~んっ!! 最初から飛ばし過ぎよ~っ!! もう少しペースを落として~っ!!」
・・・・・・・・・・・・
だっ、駄目だ!! 舞奈の奴、菜弥美部長の声が全然聞こえていないようだ!!
あと十週……
ようやく半分が終わったな。
そして舞奈は相変わらず先頭を走っているが、大丈夫なのか?
凄く苦しそうな表情をしているんだが……
さすがに二番手の井羅須戸部長が追いついて来たな。
それに井羅須戸さんの表情はまだ普通だし……
ん? 今頃気付いたけど井羅須戸部長も結構、胸が大きいじゃないか?
顔をもそこそこ美人だし、男どもの視線がうまい事、分散してくれていないだろうか?
「あっ、掛端君と仙道君が井羅須戸さんを挟んで追いついたわね……」
「えっ? ああ、前妻木部長!! っていうか何であの二人、井羅須戸部長を挟んで走っているんですかね!? あれじゃ見えないじゃないですか!!」
「えっ? 何が見えないの?」
「いや、だから井羅須戸部長の胸が……あーっ!!!!」
「へぇ……布津野君、井羅須戸さんの胸を見てたんだぁ……フフフ……」
「ちっ…違うんです!! 別に俺は井羅須戸部長の胸を見ていた訳じゃ……どちらかと言えば舞奈の胸を……いや、それも違います!!」
「布津野君、何を慌てているのよ? 別に誰も布津野君が走っている女子達の揺れている胸をじーっと眺めているなんて思ってないよ……」
「ほんとですか!? あ…有難うございます……。実を言うと俺は舞奈の胸をジロジロ見ている奴等を何とかしたいんですが……でも何も出来なくて……。マラソンの人選を間違えたなぁ……って凄く反省しているところなんですよ……」
「ふーん……。そうだったのね? でもあの舞奈ちゃんを見ていたら別に男子達のイヤラシイ視線を感じている様には見えないんだけど……」
「ま…まぁ、そうなんですけどね。今のところはそれが救いです。でも……これからの後半はまだどうなるか分からないし……。だからそれが不安で不安で……」
「フフ、布津野君……舞奈ちゃんが好きなのね? だから守ってあげたいのね?」
「えっ? すっ、好きって……。そっ…そんな事は無いですよ!! 同じ部活の仲間だし、それにクラスメイトでも有るし……」
「まぁ、照れなくてもいいわよ。でも布津野君、安心して。舞奈ちゃんを『エロ男子共の視線』から守る良い方法を浮かんだから」
「えーっ!? ほっ、本当ですかーーーっ!!??」
一体、どんな方法なんだろう!?
「その方法を成功させるには花持先輩と聖香ちゃんの協力もいるからちょっと呼んでくるわね……」
花持先輩と聖香の協力がいるって、一体どういう事なんだーっ!?
しかし舞奈の胸の揺れは……アレはある意味犯罪だぞっ!!
って、いかんいかん!! 俺としたことが……
お読みいただきありがとうございました。
舞奈の胸に浴びる視線を何とかしたいが何も出来ない一矢......
しかし前妻木部長は何か良い方法が思い付いたみたいで......
果たして前妻木部長が考えた舞奈を守る方法とは!?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆




