第131話 余計な提案するんじゃねぇよ!
【次の日】
はぁぁぁ……
昨日は疲れたぜ……
昨日は部室内が凄い修羅場になっていたけど、皆さん一晩寝たら落ち着きを取り戻したみたいで本当に良かった……。あんな雰囲気の中で部活はやりにくいしな……
「という事で、今度の『体育祭』では『文化部対決』の競技が幾つかあるみたいなんで今日は出場選手や、それらの競技の対策を皆で考えていきたいと思うのですが……。菜弥美部長、それで良いですか?」
「えっ!? そっ…そうね。一矢君の言う通りにしましょう……」
「一矢ぁぁ? 『文化部対決』って一体どんな競技があるの? 『パン食い競争』とかはあるの? フンッ!!」
舞奈、お前は食う事しか頭に無いのか!?
って言うか、最後の『フンッ』てどういう事だ!?
「いっ…いや、残念だが『パン食い競争』は無いみたいだな。俺が聞いているのは『借り物競争』『綱引き』『マラソン』そして『リレー』かな。確かそうでしたよね、菜弥美部長?」
「えっ? あぁ、そ…そうね。一矢君の言う通りだわ。でもこれはあくまでも去年行った競技であって、今年も同じ競技をするとは限らないんだけど……はぁぁ……」
ん? 菜弥美部長は何で最後にため息をついたんだ??
「いや、それは大丈夫だと思いますよ。先程、生徒会室でその話もしていましたが、聖香いわく『準備が大変だから去年と同じ競技にするつもり』って言ってましたので……」
シ――――――――――――――――――ン…………
へっ? 何で皆『シーン』ってなるんだ??
「一矢君、ちょっといいかしら?」
「どうした紅伊奈?」
「私、思うんだけど、別に一矢君が部活前に生徒会室に顔を出す必要なんて無いと思うのだけど……。いくら聖香ちゃんとの約束だからといっても一矢君は『ネガティ部』の副部長だし、部活には最初から参加するのが当たり前だと思うの……」
うわぁぁああ、紅伊奈の奴、思いっきり『正論』を言ってきやがったぞ!!
「紅伊奈ちゃん? 私は別に一矢君が聖香ちゃんとの約束を守って生徒会室に顔を出すのは構わないと思うわ……」
「テッ…テルマ先輩、有難うございます。そう言っていただけると俺、とてもありがたいです!!」
「そ…そんなお礼なんて言わないで。私は一矢君が好きなようにしてくれればそれで良いと思っているだけだから……」
さすがテルマ先輩だ。
たまに俺に対して『攻撃的』なところがあるけど、やっぱりこの人は後輩思いで優しい人だ……
「あざといですね、テルマ先輩……」
「えっ!? なっ…何を言ってるの、紅伊奈ちゃん!? 私が『あざとい』ってどういう意味かしら?」
「だから、一矢君が生徒会室に顔を出しても良いって言っているところですよ」
「それのどこが『あざとい』のかしら??」
うわっ!! なんだかまた不穏な空気が漂ってきたぞ……
「本当はテルマ先輩も一矢君には生徒会室に顔を出して欲しくないくせに、あえて自分は一矢君の事を理解している的な雰囲気をかもし出して気を引いているところですよ」
「べっ…別に私はそんなつもりで言っている訳じゃ……」
「そうだぞ、紅伊奈!! お前、テルマ先輩に失礼じゃないか!! 謝った方がいいぞっ!!」
「一矢君、別に私は謝ってもらわなくても構わないわよ。全然気にしていないから……」
「で…でも……」
「はぁ……。それもあざといですね……。テルマ先輩、もう正直に自分の気持ちを伝えたらどうですか? じゃないと『出遅れて』しまいますよ……」
「よっ…余計なお世話だわ!! 私の事は放っておいてちょうだい!!」
「へっ? 何の事だ??」
「まぁまぁ、いずれにしても今は全員揃っているんだし、そろそろ『体育祭』の話し合いをしようじゃないか? あまり時間も無い事だし……。ねぇ、美代先輩?」
「えっ? えぇ、そうですね。菜弥美部長のおっしゃる通りですよ。早く色々と決めていかないと……。そ…それでは、ま…まずは『借り物競争』に出場する人を決められたらどうでしょうか……?」
「うーん……。私、パン食い競争だったら喜んで出場してたのになぁ……」
舞奈、まだ『パン食い競争』にこだわっていたのかよ!?
「でも舞奈ちゃん? 『パン食い競争』だったら一番身長のある僕が出場した方が絶対有利だと思わないかい?」
だから子龍先輩、『パン食い競争』は無いって言ってるだろうが!!
「言われてみればそうですね。私もパンは食べたいけど負けるのも嫌だから、出場は子龍先輩に譲ります」
だから『パン食い競争』は無いって言ってるだろ!!
「菜弥美部長、これらの競技は全て生徒会が考えるんですよね?」
「そうよ、紅伊奈ちゃん」
「それじゃあ、その『借り物競争』に出た時のお題でもし『あなたが一番好きな人』なんてのを引いてしまったら、出場する人によっては結構キツイかもしれませんね?……ニヤッ……」
なっ...何だ、今の紅伊奈の微笑みは!?
「そ…そうかもしれないわね……。公の場で『好きな人』がバレちゃう事になるものね……」
も…もしかして紅伊奈の奴、俺に『借り物競争』に出場しろって言うんじゃねぇだろうな!?
もしそんなお題を俺が引いてしまったら、一体俺は誰をゴールまで連れていけば良いんだよ!?
「私、その競技には一矢君が適任かと……」
ほらっやっぱりか!?
「 「 「一矢君がですって!!??」 」 」
えっ? 何か紅伊奈と子龍先輩以外は全員ビックリしているんだが……
「ど…どうしよう……、僕が連れて行かれてしまったら……」
子龍先輩、気持ち悪い事を言ってるんじゃねぇよ!!
「冗談ですよ。『借り物競争』には私が出場したいのですが構いませんか?」
「あっ…ああ、私は異論は無いぞ。他の人達は、ど…どうかな?」
「 「 「い…異議無~しっ!!!!」 」 」
ふぅぅ……
何とか俺の出場は免れたが、紅伊奈の奴は一体何を考えているんだ!?
「それでは皆さん、仮に『借り物競争』で私が『あなたが一番好きな人』っていうお題を引いた場合は遠慮なく一矢君を借りますのでどうぞよろしくです……。まぁこの中で唯一私だけが一矢君に告白をしているのですから何の問題も無いですもんねぇぇ? フフフフ……」
「 「 「 「ウグッ!!!!…………」 」 」 」
何か皆さん凄く複雑な表情をしているんだが、大丈夫なのか!?
「ウフッ、皆さん心配しなくても大丈夫ですよ。そんなお題を私が引く確率なんて凄く低いんですから......」
ガラッ…ガラガラッ!!
「ルッ…ルイルイ、今日はやけに部室に来るのが遅かったわね? 別に来なくても良いんだけどさ……」
「ハッハッハッハ!! ヤミヤミ、それは言い過ぎだろう? 私は今まで、お前達の為に生徒会室に行って来て『借り物競争』に使うお題のほとんどを『あなたの一番好きな人』にすればメチャクチャ盛り上がるぞって提案してきたんだぞっ!!」
・・・・・・!!?? ルイルイ…………
「 「 「 なっ…何でそんな余計を提案してきたんだ―――っ!!??」 」 」
お読みいただきありがとうございました。
『体育祭』の話し合いにようやくなったかと思えば......
まだまだ波乱が起こりそうな感じですよね(笑)
という事で次回もお楽しみに(^_-)-☆




