第111話 子龍先輩、アンタが『鍵』です!(挿絵有り)
聖香を『生徒会長』にする為の作戦会議真っただ中の『ネガティ部』兼『選挙対策本部』
果たして一矢が考えた作戦とは!?
「俺の考えた作戦はこんな感じなんですが、皆さん『ソレ』で構わないですか?」
「一矢君……。私は別に構わないんだけど、私達が『ソレ』をするだけで聖香ちゃんの応援になるのかどうかが、良く分からないのだけれど……」
「菜弥美先輩、やはり俺の作戦は嫌ですか?」
「そっ…そんな事は無いわ!! 今まで一矢君が考えた作戦で失敗した事は無いものね!! ただ、子龍が『ソレ』をやる事で状況が一変するのは何となく理解できるわ……」
「私も一矢君の作戦通りに、やってはみるけど、私としては周囲の目が凄く気になるわね……」
「テルマ先輩、無理な事をお願いしてしまつて、スミマセン……」
「べっ…別に良いわよ……。私も聖香ちゃんが『生徒会長』に当選する為に何か少しくらいお役に立ちたいし……。でも、私でも不安なのに子龍が『ソレ』をちゃんとできるのかしらね?」
「テッ…テルマ!! なっ…なんて事を言うんだ!? ぼっ…僕だって『ソレ』くらい…やってみせるよ!! ただ、僕が『ソレ』をやって何が良いのか理解はできていないんだけどさ……。でも『ボス』が決めた事だから僕は『死ぬ気』で頑張るよっ!!」
『ボス』って言うな!!
ってか、『死ぬ気』でやる程の作戦でも無いんだけどなぁ……
でも、この人達の性格なら『軽い気持ち』では出来ないかもしれないな……
「皆さん、私の為に『嫌な事』までさせてしまい、申し訳ありません……」
「何を言ってるのよ、聖香!! 元はと言えば、一矢がアンタに『生徒会長立候補』を押し付けたんだからね!! だ…だから私達『ネガティ部』が聖香が『生徒会長』になる為の協力をするのは当たり前の事なんだから!!」
「そうね。これは一矢君の責任よね。だから責任を取って、私と『付き合って』もらえないかしら?」
「バッ…バカな事を言うな、紅伊奈!! どさくさに紛れて何を言ってるんだ!?」
「ところで一矢君? 今回、『生徒会長』に立候補されているのは聖香ちゃんともう一人は…たしか二年生の人だと聞いているのですが、ご存じですか?」
「えっ? 美代部長、俺はそこらへんの情報は全く無いんですよぉぉ……。二年生という事は菜弥美先輩は何かご存じですか?」
「ええ、知ってるわよ。立候補している人は二年八組の『仙道 一番君』といって、『イニシアティ部 次期部長』だそうよ……」
「イッ…『イニシアティ部』って『部』があるんですか!?」
一体、この学園にはこんな『ヘンテコリン』な名前の『部活』がどんだけあるんだよっ!?
「で、その『仙道 一番』っていう人はどんな人なんですか?」
「私は仙道君とは直接、話した事は無いけど、他の女子達の会話を『盗み聞き』した情報をまとめてみると……」
なっ…菜弥美先輩も『盗み聞き』じゃ無くて皆の輪の中に入って会話しましょうよ……
「仙道君はイケメンで、頭も良くてスポーツもソツなくこなせる『万能人間』で、女子達の間ではかなり人気があるみたいよ。で…でも私は彼に全然興味なんて無いからね、ひっ…一矢君!!」
菜弥美先輩、別にそこは強調しなくても……
「へ、へぇぇ……。そうなんですね。それと一つ気になったんですが、その『イニシアティ部』ってのも『ティ』が付いてますけど、また前の『エグゼクティ部』みたいに『四大茶部』の座を狙ってくるって事は無いんですかね?」
もう、あんなややこしい『部』は『エグゼクティ部』だけにしてもらいたいものだぜっ!!
「さぁ、どうだろ……。私にはよく分からないわね……」
「モブオは何か『イニシアティ部』について何か情報は持っていないのか?」
「フフフ……。フツオ、お前がいつ俺に聞いて来るかと今か今かと首を長くして待っていたところさ……」
「何だよ!? それなら早く言えっていうんだ!!」
「まあまあまあ……。で、『イニシアティ部』だけどさ、恐らくこの『部』は『四大茶部』には興味は無いぜ。彼等が昔からこだわっているのは『生徒会』……。それも『生徒会長の座』の様だな」
「えっ? そうなのか?」
「ああ、そうだ。過去にこの『名染伊太学園』の『生徒会長』に就任した人は『イニシアティ部』からが一番多いんだよ。でも。この二年間はあの『海藤会長』に阻まれたって感じかな。その時も当時の『イニシアティ部 部長』が立候補していたらしいけど、『海藤会長』の圧勝だったらしい……」
「そ…そうでしたね。前回や、その前の時も海藤君が全体の八割以上の票を獲得したと聞きました……」
やはり、あの人は凄い人なんだな!?
初めて会った時も凄い『オーラ』が漂っていたもんな……
でも、本当の海藤会長は『副会長キリタンとラブラブ膝枕野郎』なんだけどなっ!!
「そして今回、あの海藤会長の任期が終了するという事で、遂に『イニシアティ部』が『生徒会長の座』に返り咲けると、凄く意気込んでいるそうだよ……」
うわぁぁぁ、かなり本気モードの人達なんだなぁ……
結構やりにくい相手だな。っていうか、あまり関わりたく無い人達かもしれないぞ……
「ダーリン……」
「うわっ!? いっ…居たのかよ、ルイルイ!?」
「フフフ……。前にも言っただろ? 私はいつもダーリンの傍にいるってな。学園だろうが、バイト先だろうが、ダーリンの部屋の中だろうが……」
「おっ…恐ろしい事を言うんじゃねぇよっ!! アンタは『ストーカー』かよっ!?」
「ハッハッハッハ!! 失礼な事を言うな、ダーリン? この『美人でナイスバディの婚約者』をつかまえて……」
「だから、婚約なんてしてねぇよっ!!」
「ルイルイ先生? いずれ私と『闘う時』が来るかもしれませんね……?」
「フフフ……。そうだな、『泥棒黒猫』のクイクイ……」
紅伊奈もルイルイなんかに絡んでいくんじゃねぇよ!!
っていうか、二人共、俺の気持ちを無視して、いつの間にか『女の闘い』が始まっているじゃないか!?
じょ…女子こぇぇぇ……
「ダーリン、そんな事よりも『投票前日』の立候補者の『演説内容』はもう考えているのか?」
「えっ? 『演説』なんてあるのか!?」
「当たり前だ。中学生の頃もあっただろう?」
「そ…そう言えばあったような……」
「せっ…聖香!! 『演説内容』って、もう考えているのか!?」
「えっ? ま…まぁ、少しくらいは考えているけど……」
さすが、聖香だな!!
よく、分かってらっしゃる!!
やっぱり聖香は『生徒会長』の素質があるに違いない……
「フツオ~?」
「モブオ、何だよ?」
「一つ言い忘れていたんだけどさ、俺達『アーカイ部』は『選挙管理委員会』としても今日から動き出すから、公平な選挙戦にする為に、残念だけど俺がここに顔を出せるのは今日までなんだよ……」
「そっ…そうなのか!? っていうか、『アーカイ部』って何でもやる『部』なんだな!?」
「ハハハ…、まぁ仕方ないさ。うちの部は『新聞部』『写真部』『放送部』『文芸部』等々の複数の『部』が合体したところだからさ……。ちなみに『イニシアティ部』も昔の『風紀委員』『美化委員』『文化委員』『応援委員』等々の委員長さん達が集まって立ち上げた『連合体の部』らしいぞ。特に『応援委員』の絡みから『運動部』とは今も深い付き合いがあるから、今も『運動部』の人達にの支持は多いと思うぜ……」
「なるほどな。だからうちの学園には『委員会制度』が無いんだな。『イニシアティ部』がそれら全てをやってくれているって事か……。やはり…かなり手強いぞ……」
「いずれにしても皆さん!! 明日から『作戦実行』宜しくお願いしますね!!??」
「 「 「 おっ…お――――――っ!!」 」 」
【あくる日の三年一組】
ガラッ…ガラガラッ
「えっ、何!?」
「あっ、あれは二年の『仁見 子龍君』じゃないの!?」
「そっ、そうよ! し…子龍君だわ!!」
「うっ…嘘でしょ!? 何で子龍君が私達の教室に入ってくるのよ!?」
「しかし、いつ見ても『超イケメン』よねぇぇぇ……」
「私、目が合ったら死んでしまうかもしれないわ……」
「あの『沈黙の四十五度』の後ろにいる『普通』の顔の奴は誰だ……?」
「そっ…そうだ、アイツだ!! 『何か凄い普通の奴』って言われている……」
「名前、何て言ったかな? 何か『普通』がつく名前だったような……」
「『普通』過ぎて思い出せないぞ!!」
『普通』『普通』ってうるせぇよっ!!
「さぁ、子龍先輩……『本番』です。頑張ってください」
「あ…ああ、一矢君……。ぼ…僕は…し…『死ぬ気』で頑張るから……」
子龍先輩がいつになく緊張した表情をしているぞ!!
その所為なのかは分からないけど、若干顔の向きが『三十五度』くらいになっているのは気のせいだろうかっ!?
お読みいただきありがとうございました。
またしても新しい『部』、『イニシアティ部』ってのが出てきました。
果たしてどんな『部』なんでしょうね?そして『会長候補』の一人、『仙道一番』という人物も未だ謎ですね。どうか、『爽やか少年』でありますように......(笑)
次回をお楽しみに~(^_-)-☆




