第13話~生産依頼とレアモンスター
ブックマーク300超え、PV60,000超え、ユニーク8,000超え。
びっくりッスわ\(>_<)/
とりあえず、思うがままに!
感想、指摘、あざーっス!!
指摘箇所、修正しやした。
称号内容修正、文章加筆しました。
俺は露店販売を終えたあと、ギルドに報告をしていた。
「朝一で売りに行って、昼前に全部売り切ってきたんですか?」
「最初のうちは全然だったんだが、色々あってな。一気に売れたよ。」
「因みに投擲薬はどんな感じでした?」
「実演したら、ほぼ奪い合いになった。あれは売れるな。」
「それは喜ばしいことですね。・・・でも、大々的に売り出す前に真似されないですかね?」
「それは大丈夫だろう。失礼かもしれないが、俺の作った物で大騒ぎしたんだ。作り方が解ったとしても作れやしないだろう。」
「ティルさん以外はまだまだ未熟なんですねぇ。いつになったらこの支部が盛り上がるのでしょう・・・。」
「一応、発破をかけてきた。近々、俺以外の奴も来るようになるさ。」
「そうなればいいですよね。・・・この後はティルさん、何するんです?」
「んー、そうだな・・・。ブラブラ街を歩いて考えるよ。」
「そうですか、わかりました。では、私はこのことを支部長に報告しますね。」
「よろしく頼むよエイミーさん。」
報告すべきところを話した後、俺はエイミーさんに挨拶をしてからギルドを出た。
「さてと・・・。どうするかな。」
一日中販売する予定だったのだが、昼前にやることがなくなってしまった。うーむ、何をすべきかと考える。俺の所持金は50万に増えた。金は貯めてもしょうがない。・・・・・・よし、スキル屋に行ってスキルを買おう。そうと決まれば即行動、俺は足早にメインストリートにあるスキル屋に向かった。
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悩ましい・・・、実に悩ましい。スキル屋店内で絶賛、悩み中である。最後の一つを何にするか悩んでいるのだ。今回使用する金は40万G、残りの10万Gは使わないでおく。この先、何があるかわからんからな。
んで、選んだスキルは〈光〉と〈闇〉だ。この二つのスキルは魔法スキルで、その名の示す属性魔法が使える。光魔法は攻守に優れ、闇魔法は攻撃に特化しているらしい。まあ、遣い手にもよるらしいけど。俺はどんな遣い手になるんだろうね?〈光〉と〈闇〉はそれぞれ15万で計30万もした。高いよスキル!もっと安いと思っていたよ。現実は厳しいな、オイ。まあ〈喧嘩殺法〉のように、いつの間にか取得しているパターンもあるからいいか。
・・・で最後のスキルが〈料理〉〈探索〉〈採掘〉の三つで、どれにするか悩んでいるわけだ。〈料理〉はまんま料理を作る生産スキル。〈探索〉はフィールドやダンジョンでのマッピングに宝箱探知、隠し部屋や隠し通路などを見付けるのに効果を発揮する冒険スキル。〈採掘〉は発掘ポイントにて、鉱石などを掘り出す時に補正が入る収集スキル。各10万、どれも欲しい。険しい顔して悩む俺の周囲に人はいない。店員も明らかに、ビビりまくっている。一頻り悩んだ俺は、
「〈光〉〈闇〉〈採掘〉の三つをくれ。」
最終的に〈採掘〉を選んだ。理由はこれからのことを考えた結果だ。俺が原因になるのだろうが、生産が熱くなると予想している。そうなると、街で入手出来る鉄鉱石などの素材が不足する。それもかなりの期間。安定した生産をするならば、収集スキルは絶対に必要だ。既に所持している〈採取〉で、魔物素材以外の素材にはあまり困らないと思うがこれから先、多く使用するであろう鉱石類を確実に入手するには、〈採掘〉に頼ることは必須だろう。それ故の購入である。余れば同業者に売ればいいしな・・・ククク。
「こ、こちらが〈光〉〈闇〉〈採掘〉のスキル書でございます。」
「ああ、ありがとう。代金は40万Gでいいんだよな。」
「はい・・・た、確かに40万Gを受け取りました。ご購入ありがとうございます。」
俺は買ったスキル書を早速、使用した。おお、スキル書が無数の光となって俺の体に入ってくる。全ての光が入るのを確認した俺は、ステータスを見る。うむ、ちゃんと控えスキルに三つが追加されているな。さて、草原に出て魔法を試すとしようか。
「ちょっと待ってくれ!」
草原に向かおうとした矢先に、呼び止められた俺は声の主に顔を向ける。そこには、俺の店で買い物をしてくれた男と初見の女がいた。
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男の名はバルバロッサ、女の名はJunというらしい。俺に何用か。
「バルバロッサとやら、この俺になんの用だね?今、売る物はないぞ。」
「あ、いや違うんだ。用があるのは俺じゃなくて、Junの方なんだ。」
バルバロッサがそう言うと、後ろに控えていたJunさんが前に出てきた。
「お忙しい中、申し訳ありません。突然なのですが、ティル様に協力して欲しいことがあるのです。」
「協力・・・なんで?」
「その理由は・・・・・・。」
なんでも、王都に向かう道中にあるノーシュ山を攻略するためだとか。アルマージとかいう魔物が坂の上から、すごい勢いで転がってくるらしい。何度か挑戦したのだが、何人かは避けきれずに体当たりを食らって下山、死戻るそうだ。対抗手段として盾を用意したかったみたいだが、この街に盾を売る店がほとんどなく、あっても質が悪いとのこと。作れる生産者もいなかったらしい。そんな中、現れたのが俺みたいだ。高性能の武器防具が作れ、盾も作れる。その事実も踏まえ、俺に生産を依頼したいらしい。因みに俺を探すのにSSで撮った写真を使い、人に見せながら捜索していたようだな。俺は犯罪者か!・・・まぁ、きっちり謝ってきたから許すがね。とりあえず、
「協力してやってもいいが・・・今、作れるほどの素材なんかないぞ。」
「協力してくださるのですか!ありがとうございます!」
花が咲くように笑顔がこぼれるJunさん。彼女は黒髪ポニーテールの剣士。先ほどまではクールにキメていたのだが、笑顔が素敵じゃないか。
「今言ったけど、素材がないぞ?」
キリッと元に戻ったJunさんは、
「何が必要ですか?前線メンバーを動員して、かき集めます。」
メリハリがあっていいね。バルバロッサの方はメモ帳を取り出し、メモる気満々だ。つーか、メモ帳とペンなんかあるのか・・・と思いつつ、
「鉄の大盾を作ってみようかと思う。必要な素材は・・・鉄鉱石、ホーンラビットの皮か毛皮、スライムの核あたりが欲しいな。数はなるべく多く・・・としか言えんな。」
「鉄の大盾ですか・・・なるほど。それなら、あの体当たりを防ぐことが出来そうですね。」
「その攻撃を見たことがないからなんとも言えないが、大抵の攻撃を防げる物を作りたい。」
「前線で大盾を扱えそうな者は・・・、三人はいるでしょうか。」
「んじゃ、三つを目標に作ってみるか。・・・そうだ、夜に総合ギルドへ来てくれないか?」
「どうかしたのですか?」
「君らに俺の作った盾でも提供しようかと思ってね。盾スキルを鍛えるのに多くあった方がいいだろう?大盾を使うんだから、相当のスキルLVがないと安心出来ないだろ。もしかしたら、三人以外に扱えそうな奴がいるかもしれないからな。」
「確かにそうですね。でも、良いのですか?」
「別に構わないさ。その代わり、ノーシュ山の発掘ポイントを知っているのなら教えてくれ。上手く作れる自信が無いから、自分でも鉄鉱石を集めておきたい。」
「そういうことなら喜んで。」
俺製作のウサギ盾を無償提供する代わりに、発掘ポイントを教えてもらった。一応言っておくが、採掘しまくって荒らす気はないからな。
「では、素材の方はお任せください。明日の昼までにある程度の数を確保しておきます。」
「頼むよ。俺の方でも集めておく。」
そして俺は二人と別れ、ウサギ盾の素材を求めて草原に向かった。ついでに新装備と魔法を試そう。狼も狙わないとな。
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人気の無い草原の隅?にて、
「ライトアロー!」
俺の放った光の矢が、ウサギの体を貫く。貫かれたウサギは動かない、倒したようだ。
「なかなかの威力だな。」
二発でウサギを倒すことが出来た。因みに闇魔法のダークアローは、一発でウサギを倒せた。聞いていた通り、闇魔法の方が威力があるみたいだな。それにしても、魔法は強力だな。俺でこの威力なんだから、最初から魔法スキルを所持している人はどんだけ凄いのだろうか。〈光〉はライトアロー、〈闇〉はダークアロー、最初から使える魔法はこの二つだけ。あとは、LVを上げれば修得出来るらしい。スキルのように何かしらで修得出来ないもんかね?いずれ、探してみよう。さて、次は爪の威力を試そうか。暗器のように隠していた爪を、小手部分に装着する。気分は暗殺者だ。なんて考えているとウサギ三匹、バッタ二匹の団体さんが登場。さぁ、見せてもらうぞ、その威力。
爪の威力が凄まじい。ウサギとバッタを一撃で切り裂くことが出来た。五匹の死体が無惨に転がっている。俺の予想が正しければ、狼の奴は死体に寄ってくる。剥ぎ取らずに放置しとけば、現れるはずだ。奴が現れるまで、戦いを楽しむとしようか!
「ぬははははは!!」
俺は高笑いをして魔物を狩っていた。無惨に切り裂かれた死体の中心に、血の滴る爪を魔物に突き立てる姿はまさに悪鬼。この光景にデジャヴを覚える俺。あの時と同じよな。・・・ってことは、
『『グルルルルッ!』』
出てきました狼くん。しかも二匹!称号効果が効きすぎだ。
〔ユニークを狩りし者〕:ユニークモンスターなどの希少モンスター出現率が上がる。
だが、今日の俺は一味違うぜ?さあ、死合おうか!!
魔法特化の冒険者をイメージして、両手に魔力を込める。右手に光を、左手に闇を二匹の狼に向ける。
「先手必勝!ライト&ダーク!!」
二匹の狼に光と闇の矢が、それぞれ襲いかかる。・・・が、避けられた。だが、それは予測済みなのだよ!すぐに地を蹴って、右の狼に飛びかかった。
「シャラァッ!」
『ギャウッ!!』
右手の爪が狼の体を切り裂き、すぐさま左手の爪を首筋に突き刺す。そのまま首を掴み上げ、もう一匹の狼に投げつけた。狼はこの速攻に反応して避けるが、冷静に動きを見ていた俺は、即座に投げナイフを取り出し投げまくる。さすがの狼も投げナイフの弾幕を避けきることが出来ずに、
『ガッ!ガゥ・・・ギャワゥッ!!』
何本も突き刺さる。首飾りの効果でSTRが上がったお陰か、良く刺さるな。とりあえず追撃だ。投げナイフで少なからず、ダメージを負っている狼に駆け出す。が、狼はこちらに飛びかかってくる。装備のお陰で俺の方が速い!飛びかかる狼に勢いのまま、ソバットを食らわす。
『ギャインッ!!』
吹っ飛んだ狼を追いかけ、逆に飛びかかる。よし、マウントポジション!今の俺は凄く悪い顔をしているんだろうな。元からってか?ほっとけ!!まぁいい・・・、さよならだ。俺は爪で狼の首筋を切り裂いた。勢いよく血が吹き出し、狼はビクンビクン!と痙攣してから動かなくなった。
「さて、もう一匹はどうなった。」
投げた狼に視線を向けると、投げた場所から動いていない。なんか血だまりの中にいるな。・・・あ、首筋に爪を突き刺したんだっけか。じゃあ、死んでるな。なんとも呆気ない戦いであった。俺は倒した魔物達から素材を剥ぎ取り、なんかモヤモヤする気持ちを落ち着かせ街に帰った。
因みにティルは魔法特化の冒険者なら誰もがやっていると、勘違いしていることがある。それは魔法の二属性同時発動と簡略詠唱のこと。簡略詠唱は幾度となく魔法を使い続ければ、いずれは出来るようになる。故にそれほどのモノではないが、現時点では誰も出来ない。だが、二属性同時発動は特殊スキルの類いである。この先、取得する者も出るであろうがその道は険しい。やはり、現時点では誰も出来ない。〈俺流〉の効果もあるだろうが、高度なことをやってしまったこの男。せめてもの救いは、この二つのスキルを取得していないことと、誰も見ていなかったことだろうか。
そしてもう一つ、ティルが今回倒した狼はユニークモンスターの草原狼とは違う。レアモンスターに分類される屍狼という魔物である。ユニークモンスター討伐によって解放された魔物であり、能力は草原狼よりは劣るものの二匹一組の連携は、草原狼よりも厳しい戦いを余儀なくされる。この事実はティルが冒険者ギルドに顔を出すことで発覚するのである。まだ先になるが、Jun経由で各方面に『ユニークモンスター討伐でレアモンスター解放』の情報が回り、各地でユニーク&レアモンスター討伐が加速することになる。
ある意味、問題児のティル。少しずつだが周りを巻き込み、我が道を行く。
そんな彼は今、ウサギ盾をいくつか作ってJunさんに渡し、明日は採掘でもしてやろうと考えながら、ログアウトをしていたのだった。
ステータス
名前:ティル
種族:人間
性別:男
LV:10(+3)
HP:90/140(+20)
MP:13/80(+30)
STR:29(+7)/72〔+43〕
DEF:22(+3)/65〔+43〕
INT:21(+10)
AGL:24(+5)/43〔+19〕
DEX:47(+14)
MED:22(+5)
LUK:29(+10)
【SP】:45(+15)
【ランク】
冒険者ギルド:ランクE
生産ギルド:ランクE
【スキル】
〈投擲〉LV8(+3)〈喧嘩殺法〉LV13(+5)〈光〉LV3 NEW!〈闇〉LV3 NEW!〈鑑定〉LV16〈採取〉LV3
【控えスキル】
〈鍛冶〉LV18〈裁縫〉LV20(+1)〈装飾〉LV14〈調合〉LV16〈木工〉LV7(+2)〈不屈〉LV2〈採掘〉LV1 NEW!
【固有スキル】
〈俺流〉LV17(+3)
【称号】
職人達の弟子
ユニークを狩りし者
見習い商人
切り裂き魔 NEW!
【装備】
鉄の投げナイフ×100〔STR+3〕
ラビットレザーセット改(特殊)〔STR+28・DEF+40・AGL+15〕
草原狼の首飾り〔STR+12・DEF+3・AGL+4〕
【魔法】
〈光〉ライトアロー
〈闇〉ダークアロー
【アイテムボックス】
ポーション×5・ポーション+2×2・マナポーション×4・etc
【所持金】
100,790G
次話にて、妹キャラが登場する予定。一緒に山の発掘ポイントに行くのだろうと思います。あくまで予定です。




