表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/35

フードを被った人

私、中途半端なんだ。


中途半端な人間なんだ。


誰が好きなのとか、はっきりしていないし、そうだ、私、中途半端だ。


「ねぇ、君」


またか、男って本当に苦手だ。


「泣いてるの?俺が慰めてあげようか?」


「いいです」


「そんな事言わないでって、あ、いくら欲しい?」


「いりません」


「五万円あげるから」


そう言って、手を掴まれる。


やだ、触らないで


「やだ」


「いいから!」


もう、お終いだ。


「私の好きな人に手出さないでくれる?」


フードを被った人が男の人から私の手を振り払った。


それに、私って言った。


「私って?お前も女なの?」


「女だけど」


「悪りぃけど邪魔しないで欲しいな」


「あんたが邪魔すんなよ」


「てめぇが邪魔なんだよ!俺が誰がわかってんのか?」


「知らないよ、私が誰か知ってんのかよ?」


「なめんなよ」


フードを被った人に男が殴った。


でも、フードを被った人は、慣れているかのようにすっとよける。


そして、一発殴り、二発殴る。最後に三発目を顎に。


男は倒れた。


フードを被った人を満月の月が照らす。


フードを被った人は、フードを少しずらして上を向く。


狼が遠吠えするように。


「大丈夫?光さん」


この声って、ああ、理奈なんだ。


「理奈、怖かったよ」


理奈は、泣く私をそっと抱き寄せた。


私は、どうしたらいいのだろう?


「理奈、ごめんね」


「・・・」


理奈は、私の頭にそっと手をなでおろした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ