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理沙の告白

「理沙っ!」


私が光姉に膝枕して貰ってる時にKYな奴が来た。


本日二回目のご登場。


前までは、Aくんと呼んでいたけど、面倒臭いから、本名で言っちゃいます。


輝です。あきら。


「どうしたの?」


私は不機嫌そうに言う。


「ちょっとついて来て欲しい場所がある」


「私は今デート中」


「いいから」


そう言って輝は、私の手を掴む。


ヤバイ、気持ち悪くなって来た。





着いた場所は、住宅の目の前にある公民館だった。


「何でこんなところに」


「しーっ!いいから、前みろ」


私は、前を向く。


目の前には、着物を着て、扇子を振り、日本舞踊を踊っていた。


一生懸命取り組む''陽奈"の姿に見とれていた。


「お前、あいつの事好きなんだろ」


好き? うん、確かに好きだけど。


「うん、親友として」


「お前、逃げてるだけなんじゃねぇの?」


「逃げてない」


「お前、俺を振った時、お姉ちゃんが好きだからって言ってたけど、それは、あいつの事好きって自覚したくないからなんじゃないのか?あいつの迷惑になるとか、気持ち悪がられるとか、そう言うのじゃねえのか?」


輝の言ってる事は、図星で、全部当たっていて、正直、何にも知らない奴に言われるのは腹が立ったし悔しかった。


「お前、姉ちゃんが好きって言ってたけどよく考えてみろ。ほら、あんなに綺麗だろ?俺も初めて会ったけど、憧れるよ」


憧れ? ああ、確かにそうかも、光姉と一緒にいても、ちょっとしかドキドキしない。


抱きついても、抱き締められても。


「あ、陽奈が出てくる」


「ほら、行って来い」


トン、と輝が背中を押してくれた。


光姉には、申し訳ないけど、私は、ここで確かめなきゃ行けない。


「陽奈、お疲れ様」


「あ、理沙」


「今から、話出来る?」


「うん」


「ここじゃなんだから、あっち行こう」


「うん」


私は、陽奈な手を握る。


「陽奈、担当直入に聞くけどいい?」


「うん、いいよ」


「陽奈は、私の事どう思ってる?真剣に答えてね」


「理沙は、明るいし、元気だし、いつも私の事ばかり気にかけてくれて。辛い時も側にいてくれて、母さんが死んで泣いていた時もずっと一緒にいてくれた。私は、理沙の事が」


その先を陽奈に言われちゃ困るから、そっと口付けをした。


「その先は私に言わせて?」


陽奈は、驚いたのか、返事をせずに頷いた。


「私ね、陽奈が好き。いつも一生懸命な陽奈が大好き。でも、この事を伝えたらきっと、陽奈が苦しむし、悲しむし、気持ち悪がるだろうなって思ってた。だから、ずっとそのままにしておこうって。ずっと親友のままでいいって思った。でも、そろそろ限界みたい」


今まで、貯めた事を全て吐き出した。


「理沙、私も理沙が大好きです。私もこの事を伝えたかった。でも、怖かった。人を好きになったの初めてだし。理沙が光さんの話をしてる時、凄く辛かった。理沙の1番は、光さんなんだなって思ってた。たまに、悲しそうな顔をする理沙を見ると、抱き締めてあげたくなった。でも、今の関係でそれをする事は怖くて出来なかった。だから、理沙。私を理沙の1番にしてください」


陽奈の目には涙が溜まっていて、陽奈は、いつでも、一生懸命に生きているって感じがした。


「陽奈、思いを伝えてくれてありがとう。大好きだよ」


「うん、理沙、大好きだよ」


今ここにある、温もりと、優しさと、陽奈を大切にしよう。


そう思った。


あとで、輝にお礼しなきゃ。


まぁ、あとでいいよね?

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