表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
消えるように。
323/369

323話

 やはりこの国は面白い。とでも言うかのようにフォーヴはとある提案を。


「彼の曲がいい、というのは認めるよ。それにここまでショパンに傾倒しているブリジットにも、私は憧れの感情さえ生まれてくる。どうだい、このあと一曲」


 それほどまでに心酔しているならば。きっとそれはそれは甘美な音を備えているのだろう。是が非でもお願いしたい。


 その圧の強い欲求。そしてここまでの会話の流れ。から決めたブリジットの答え。


「……なんか、やだ……」


 たぶんだけど。反りが合わない。言っていることは間違っていないんだけど、間違っていないからといってそれが自分には正しいわけではなくて。チェロもピアノもショパンが愛したものだけど。気持ちよく弾けない気がする。


「おや、嫌われてしまったみたいだね。そう言わないでほしいね、せっかくブリュッセルから来たんだから。演奏旅行だよ」


 気にせずグイグイとフォーヴは心の距離を詰める。断られることを気にしていたら、路上で飛び入りパフォーマンスなんてできない。どれだけ強引にいけるか。そうすれば時々許可が出る。その繰り返し。


 このゴリ押し加減。陽気で友達の多そうなノリ。なにもかもが自分と正反対のブリジット。はっきりと言って、近づきがたい。


「だってショパンのこと、悪口言ってたし」


 ムッとする。間違ってはいないから。反論もしづらくて。


 はて? とでも言うかのように、フォーヴの頭にクエスチョンマークが飛び出る。


「悪口? 違うよ、私にとってのショパンを述べただけだ。誰にだって自分だけの作曲家像がある。キミが崇めているように、私にはショパンはお金にだらしないし性格的に友達にはなりたくない、素敵な曲を作る人物という印象だよ」


「それが悪口」


「で? チェロソナタでいいかい? ショパンにとって最後の曲だ」


「……」


 どれだけブリジットが突っぱねても。そのバリアを無力化してフォーヴは接近する。そしてそのリクエストされた曲『チェロソナタ ト短調 作品六五』とはどんな曲なのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ