表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Parfumésie 【パルフュメジー】  作者: じゅん
重々しく。
155/369

155話

 息を吐きながらヴィズは苦笑する。そんな風に言われたら従うしかないじゃない、と。


「あなたのことだから、弾きたいって言ってなにも聞かないと思ってたわ」


 特に、イリナにだけは譲らないと思っていた。色々と対極に位置する者同士。逆の立場だったら、あの子はなんて言うのだろう?


 不満を露わにするカルメンは、そのまま飛んでいきそうなほどに頬を膨らませる。


「ちゃんとわきまえてるもん」


 だけど『雨の歌』は譲らない。あれは私のもの。『新世界より』はベル。あれはまぁ、すごかった。


 自身の結論とは違うのだが、勢いというのもまた大事。今、現状では一番上手く弾けるであろう人物が推しているのだから、それに乗るのも、ヴィズにはまた一興。


「なら、待つしかないわね。構築するのには時間がかかるくせに、崩れるのは一瞬。難儀ね、ピアニストって」


 崩れたあとの砂地。粉々になりすぎて、形作ることが不可能というのも多々ある。それでも静かに見守るだけ。


 とは言ったものの、無言になるとウズウズしてくるカルメン。頭の中は『死の舞踏』が流れてくる。動き回る骸骨。疼きが増してきた。


「……やっぱり私、弾きた——」


「待ちましょう」


 ニコッと笑顔で制するヴィズ。自分で言ったのだから。待ちましょう、時間の許す限り。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ