人間と妖精と『魔王様』
歌いきったその瞬間だけは、世界が輝いて見えた。
魔法陣は霧散し、晴れゆく空の雲間から夕陽が注ぐ。枝葉の雨粒が煌めいて、湖の水面が光を照り返す。
エレノアの全身の力が抜けていた。血を流しすぎて意識を保つのも限界だった。目についた木の葉っぱを眺めていた。先の方に雨水が集まって重くなっていて、それがとうとう落ちて、葉っぱが跳ねる。その奥に、エレノアの大好きな夫がいた。
「……エレノア……ッ」
ルイの声が聞こえた。金髪がさらさらして、全身ずぶ濡れのエレノアとは大違いだ。けれど服は少々乱れていて、首元も寛げて、必死さが窺えた。
――でも、こんな時でも、やっぱり彼は素敵だな。
これまで闇の中に居場所を見出していただけで、太陽の下にいたってどこにいたって、エレノアにとって一番大切な人なのだった。そんなことを再確認して不思議と笑えてしまって、へんにゃりと緩んだ顔面を地面に打ち付けるところだった。すんでのところで彼の腕に支えられて、そのまま柔らかく捕らわれた。
他の妖精たちはエレノアを気にして大丈夫かなおなかすいたのかなと慌てていたけれど、魔王が登場したことで「わー!」と散っていった。
ルイは彼女を抱き起こした。エレノアの体を気遣って、自分の外套を被せる。
彼女の左肩や右羽の銃痕に眉を顰めて、
「こんな……酷いことを……っ」
自分のしようとしたことを棚に上げながら、エレノアの治療をする。妖精の生態をエレノアよりもよく知っている彼は、妖精治療のエキスパートなのだ。
すぐに塞がりますからね、大丈夫ですからね、と彼は優しく慰めてくれるけれど、エレノアの頭の中には彼の恨みが流れ込んでいた。
――可哀想に。痛かったでしょう。またこんなに血を流して。君の血はもう見たくないのに。どうして。君は何も悪くないのに。僕はまた間違える。間違えた? 間違えたのか。わからない。エレノアの血、怖い、痛そうだ、妖精に銀は毒なのに、それを知っていてあいつらは、人間は人間は人間は人間は人間は人間はあいつらは人間はまた殺されたいのか人間は人間は人間は、
もう限界だったんだなあ、と思う。彼も自分も。
「我が親愛なる、魔王陛下」
歌いすぎて掠れた声で、エレノアは彼を呼ぶ。
「エリー?」
「矮小な妖精の血液などで御前を汚しましたこと、厳粛なる魔王城、および魔界に一時の混乱をもたらしましたこと、心よりお詫び申し上げます」
たぶんこれは『前』の私も口にした言葉だと思った。同じことを言って、同じものを彼に捧げた。玉座に座る彼の前に膝をついて、恭しく両手で掲げながら請うた。エレノアはその場面をぼんやり覚えている。そしてその生ですら、自分達は幸せになれなかったのだと知っている。
「お許しいただけるならば、一つお願いがございます」
ずっと手に握っていたそれを持ち上げて、
「こちらをお納めいただければと」
妖精の月時計。
泥で汚れてしまったそれが、夕陽を浴びていた。銀色が茜色を反射している。浴びる光の色を、銀色はそのまま映して輝く。なんだかそれが私みたいだとエレノアは思った。
ルイはエレノアの手を月時計ごと握り包んだ。
「まさかこれを取りに行っていたんですか?」
あんなに大仰な覚悟を見せつけておきながら求めたものがこんなものか、と思っているのだろうか。彼の顔が、エレノアにはもう見えない。視界がぼやけ初めてものの輪郭すらわからなくなっていた。
彼がどんな顔をしていても、喜んでくれてはいないと思う。
自分が月時計なんてものを求めて外に出て、そのお出かけに様々な事情が絡んで、危うく人類大虐殺未遂、エレノアと胎児喪失の危機だ。目的と結果が割に合わなくて、笑えもしない。
「ごめんね。私、何してもダメみたい。なんだか変な風になっちゃうね」
「そんなことはないですよ。君は少しも悪くないんです。すべて奴らが、」
「嫌だな、なんでこんなことになるんだろ。やっぱり理不尽だよね」
「もういいんです、少し休みましょう。帰ってお湯を浴びて、ベッドで温まりましょう、ね?」
「おかしいな。私はただ――」
ただ。
「ルイに何もあげてなかったから、あげたいなって思ったの。少しは何かしなくちゃ、信じてくれるはずなかったよね。好きって言っても、言葉だけじゃ。ルイみたいに何かを賭けなくちゃ」
無知は動かなくていい理由にはならないことを、エレノアは知った。
愛と犠牲は等価ではないけれど、愛と何かを天秤にかける機会は何度もある。それは仕事であったり、約束であったり、他者の時間であったり――。
ルイがこれまで、エレノアのために身を尽くしてきたように。
ルイがとうとう押し黙ったので、その隙にエレノアは、思考を通さない心の声をそのまま垂れ流す。たくさんの「好き」と「愛してる」を重いほど何度も、何度も、何度も。ルイはその一つ一つを聞き逃さないように彼女の髪を撫で梳いた。
「あとね、子供ができたよ」
とうとうそれを言われて、ルイがおそるおそる「確かめてもいいですか?」と許可をとってくれたので、エレノアは快く頷いた。お腹にそうっと当てられた彼の大きな手は、いかにもどうしていいのかわかりませんといった力加減だった。
は、と彼は息を飲む。そんな気配がする。
「君の中にもう一つ魔力があります。まだ微弱で小さな」
「うん」
「僕と似た魔力です」
「うん。とっても強い子だよ」
「……はい」
噛み締めるようなお返事だった。語尾に涙が滲んでいるように聞こえた。
夕日が沈んでいく。一番星が主張し始める。
妖精たちは木々に隠れながら、二人の会話の行く末を見守っている。
「ねえ、欲しいものはある?」
湖畔に相応しく静かな声だった。
ルイの口癖が、エレノアの口から。
「時計をあげたよ。子供もできたよ。他にあげられるものが無いから、教えて。珍しい果物でも、本でも、ルイが欲しいなら探しに行くよ」
欲しいもの。ルイはそれを初めて聞かれたような、素っ頓狂な声を出しそうになった。エレノアはほとんど夢の中だったけれど、現実に留まっているルイは真面目に答えを考える。
ルイがほしいもの。初めて聞かれたわけではない。エレノアもルイもそれがいつのことだったかは覚えていないけれど、間違いなく初めてではなかった。
その時自分がなんと答えようとしていたのか、ルイの中でこれだけは鮮明だったらしい。
――君がほしい、と思った。
――妹と談笑しながらキッチンに立つ背中。
――妖精の君が人間を憎まずにいられる街中。
夢うつつのエレノアの頭に、そんなささやかな願望が流れ込む。
呑気な妖精がふんふんと鼻歌を歌っていて、そのすぐ隣で妹も負けじと調子はずれのリズムを刻む。場面が切り変わった。魚屋の前で一生懸命に魚の新鮮さを見定めているエレノアの横顔が、不意にこちらを向いて「ルイ」と笑った。
幸せそうに。
欲しいものと言われてルイが思い浮かべたのは、それだけだった。切ないほどささやかな夢だった。
それが叶わなくなってしまっているから、エレノアが彼にあげられるものはもう何もないのかもしれない。
念を押すように、自分の夢を踏み潰すように、ルイが断言する。
「無理です」
なんて。
夢うつつのエレノアは「そうなの?」
「そう、無理なんです。君を少し外に出しただけでこの様だから」
ルイは、エレノアの肩に触れる。傷は塞がっているけれど、傷付けられた恐怖は新たに刻まれてしまった。
「もう引き返せないんですよ」
上空の魔法陣は消えても、何度だって展開可能だ。
それを完成させて魔力を流して、一度ぱちりと指を鳴らせばそれだけで人間の何割かが死に絶える。
魔王ルイ・スティラスはそういうものだ。
愛のために世界を敵に回す是非。エレノアのためにエレノアの心を傷付ける可否。大罪を誰にも許してもらえずとも、ルイはその立場から降りられない。
呑気な妖精はただ一言、
「そっかあ」
今更だったね、と言う。エレノアが頑張り出すのも、気付くのも遅すぎた。ルイはもうとっくの昔に悪者になっていて、後には引けなくなった。
そういう道を彼は選んだ。
それならもういいかとエレノアは思った。
共に人らしく生きるために頑張るか、共に堕ちることを覚悟するか。
結局のところエレノアは、初めからそれだけを考え続けていたのだった。
人間を眠らせたって、問題の先送りだ。いずれ目を覚ませば、何事もなかったように争いの時代へ進んでいく。
だから。
――『でも、人いっぱい殺して、こんなやり方じゃ……っ』
そう言って心を痛めた善人の自分を、まずは殺そう。
地獄の果てまで末永く、彼と共に生きるために。
エレノアはルイの懐に擦り寄って、彼女なりに甘えだした。体はもう痛くなかったし、空腹も収まっていた。腹の子の分まで充填された魔力に安心して、その幸福に浸りながら、
「たぶん今なら、みんな寝ちゃってるよ。変に怖がらせなくて済むから」
「……何を」
ルイが望む通り、エレノアの手は少しも汚れていない。
けれどこれは罪だ。ルイと限りなく近くまで堕ちることができる。
だから、これは。
「共犯だよ」
世界が誇る清純キャラクター、大妖精エレノアなりの、精一杯の求婚だった。
「私達を不幸にするものは、なくなっちゃえばいいんだよ」
彼女の青い瞳から涙が伝う。そして言い募る。きっと大丈夫だよ。大丈夫と思わなければやっていけないよ。人間がそうと願っているように、私たちだって大事な人と幸せになりたい。努力することは、絶対に悪いことじゃない――。
今この瞬間、必要な分だけ殺してしまっても。
それはみんながどこかでやっていることだから。
痛みや恐怖がないだけ、きっと優しいのだから。
――皆が夢の中にいる、この隙に、私達の最善を――。
ルイは答えられなかった。
締め付けられる心を表すようにエレノアを強く腕に抱いた。恐ろしいことを言っているのに、けれどそれが苦しいくらいに愛おしい。
甘く御しやすい、許しの象徴のような彼女。
ルイはこんな彼女を手放したくなくて。
彼女の献身に報いようと、再びあの魔法陣を展開しようとして、
風が吹いて、雨に濡れた緑の匂いがして、
お兄ちゃん
ルイの耳元ではっきり聞こえた、
いってらっしゃい
彼は振り返った。
そこには誰もいなかった。
ただ妹の墓があった。石板に名前と妖精モチーフの絵を掘ってある、簡素なそれ。
「……――。」
ルイはそちらに口を開いて、結局なにも言わなかった。
いってらっしゃい。
その言葉が示す意味を、正しく受け取った。
彼はエレノアに向き直って、優しく声をかける。
「人間を殺すとか殺さないとか復讐とか許すとか、それをなにも叶えない提案が一つあります」
エレノアはきょとんと不思議そうにルイを見上げる。
「もしかしたら、この世界に僕たちの居場所は無いかもしれないんです。今まで何度も繰り返しているのに、僕たちが幸せになれた未来がないそうで」
まあそんな気はしていたよねとエレノアは軽く頷いた。
ルイがくすりと苦笑する。
太陽は地平線に沈みきって、大きな満月が上り始めていた。
「また一緒に夜逃げしてくれますか?」
「いいよ。どこか別のところに行くの?」
「はい」
「ビスくんは? ルミーナちゃんのお墓参りにも行ける場所?」
「もうここに来られないわけでもないでしょうし、感覚としては魔王の座から離れるだけなので、お墓参りは問題ないでしょう。ビスも今は連れていけないので、君と二人で行くことになります。けれどいつかきっと迎えに行けるでしょう。もしかしたら僕は、老いるどころかとんでもない長生きになれるかもしれなくて」
「なあにそれ。今よりもっと長生きになるの?」
「とっても長生きです。実は神様になろうかと思いまして」
「……うん?」
さすがに聞き逃せなかったのか、ほんとに大丈夫? と言いたそうな彼女をルイが撫でる。彼女はすぐにとろんとした顔で落ち着いた。よほど疲れているのだろうけれど、そもそも飼われている妖精は飼い主に従順なのだ。こんな惨状で、どうしてここまでルイを信用できるのか、ルイ本人も不安になる。
けれどまあ、理解は後からついてくるものだ。
「下手をしたら妖精よりも長く生きます。その間に今よりもっと魔術を学んでいけば、ルミーナを取り戻すこともできるかもしれません。でもビスには希望を聞いて、ですね」
エレノアはよくわかっていないけれど、「ふうん」ととりあえず頷いておく。
「ルミーナちゃんに、また会えるの?」
「この世界は作り物らしいので、それと同じことをしようと思えばできるはずです」
どうせ時間はたくさんあるので、とルイは言った。外の世界には知らない魔術や知識が溢れている。時間とか命だとかいう、そんな人間の手に余るものだって、どうにかする技術があるのかもしれない、と。
「もしかしたら知らないかもしれませんが、君の夫は優秀な魔術師なんですよ」
エレノアは「そうなんだね」と頷いた。
「ルイにはまた苦労かけちゃうね」
「望むところです」
「ルイがいいなら、私も行くよ」
*
エレノアを横抱きにして、ルイは帰城した。魔力でお腹を満たした彼女はすでに元気いっぱいだったけれど、彼の気持ちを汲んでそのままくっついておくことにしたのだった。
一般的な夫婦の夜逃げと違って、ルイには立場がある。どうやって皆を説得しようとか、混乱するかもしれないとか、開戦間近の状況もどうしようとか、考えることは山ほどあった。
彼女を連れたまま玉座の間に戻って、そこで慌てて頭を下げる配下の中で一人を残して、残りは退室してもらった。
残ってもらった一人は、やはり猫耳の前魔王だ。
ルイが事情を話そうとすると、ビスはふてくされたように、
「どっか行くんでしょ」
断言した。
「ルイが人間界から来た時と同じ顔してる。吹っ切れたかんじ」
そんな顔をしていますかとエレノアを見下ろす彼に、彼女はわかんないと首を傾げた。
似た者同士の二人に、ビスは「あーあ」と見せつけるような溜息を吐いた。
「おれの城に新婚バカップルが一時期住み着いてたって思っとくにゃん。どっか行くならさっさと行って」
「だがこのままでは行けない。魔界にも混乱をきたしたままで、」
「なんとかするよ。こんなだけど、おれってルイの先輩だしにゃん」
ビスは不機嫌そうに尻尾を揺らしながら、あるものを取り出した。
愛用の暗器だった。
その刃先をルイに向けて、
「代わりにルイの血、ちょうだい?」
にゃにゃん。
ビスの瞳孔が、獲物を捉えて丸く開いた。
魔族の流儀に則って、王座継承の条件を満たさなければいけない。ルイは仕方なさそうに微笑んで、エレノアを下ろした。一瞬ふらついた彼女はそれでもしっかり立って、どうしようと彼を見上げる。
「エリー、申し訳ないのですが、僕の部屋から砂時計を持ってきてもらえますか? 結界は解いていますので」
「うん」
「ああでも危ないので、付き添いをお願いしてくださいね。ゆっくりでいいですから」
彼女は素直に玉座の間を出た。そこにマーシェがいたので同行をお願いして、ルイが言う通り、ゆっくりゆっくり歩を進めていく。
夫が刃先を向けられたというのに、エレノアは少しも心配していなかった。
ルイ本人だって、喧嘩を売ってくるビスに柔らかく微笑んだままだ。
魔王を倒した者が、次の魔王。
けれどビスではルイに敵わない。ビスが何百年何千年生きようと、きっとその関係は変わらない。それをスティラス夫妻は知っているのだ。
じり、と機会を伺う。
外の声は聞こえない。しんと静かな室内で、気が張り詰める。
……ーー。
ビスはやるせない心のまま足に力を込めてルイに肉薄し、彼に刃を突き入れる。結界がない。ルイは笑みを崩さない。刺さる直前も、皮膚を裂いた後も、刃が肉の繊維をぶちぶち断ち切ったまま埋まっていても。
ルイはそれでも、ビスの刃を拒まなかった。
暗器が突き刺さったルイの腕から、血液が滴り落ちる。美味しそうな香りがした。けれどビスはそれに飛び付けもせず、暗器を強く握ったまま俯いていた。
ルイはビスの手の上から暗器を握ると、自分の腕からそっと引き抜いた。途端に流れる血液が夥しいことになって、ビスは慌てて「あ……っ」と思わず声に出した。
そんなビスの頬に、ルイは自分の指で、自分の血を擦り付ける。
続いていつでも取り出せる小瓶いっぱいに血液を詰めて、固まらないように術を施して、
「どうぞ」
それでもなかなか受け取らないビスに苦笑すると、彼はビスの服のポケットに小瓶を入れた。
彼なりの餞別だった。
魔力で生きる生物にとって、ルイの血液は特別だ。一口飲むだけでとんでもない効力を発揮する。ビスだって常日頃からそれを欲しがっていて、実際おねだりもしてきたけれど、こうして渡されるのは『違う』ようだ。
ビスはぐっと唇を噛み締めて、ルイを睨む。
きい、と玉座の間の扉が開いた。「わっ、バイオレンスなことになってる」エレノアだった。
「どうしたの? ルイに虐められたの?」
「この状況で僕に容疑がかかります?」
僕は手を出してません無実ですと容疑を否認する夫を無視して駆け寄ってきた彼女が、ビスの頭をゆっくり撫でる。猫耳がぴくりと動いた。いつもはごろごろ鳴るはずなのに、今日は寂しそうに「にゃん」と呟くだけだった。そこで察したエレノアは、ますますビスに絡んでいく。
「あのね、また会えるって。もうここに来られないわけじゃないし、ルイが一生懸命魔術のお勉強すれば、ビスくんもこっちにこられるかもしれないんだって。その時は一緒に来てくれる?」
「わかんにゃい。その時の情勢と状況によるにゃん」
「それはそうだね」
たぶん三人の中で一番ドライなのがビスだ。
エレノアは思い出したように「持ってきたよ」と、ルイに砂時計を見せた。
ルイはそれを確認して一言お礼を言うと、自分の懐から月時計を取り出した。エレノアの命懸けの愛が詰まったそれには、すでに過保護なほどの魔術をかけてある。
「それでどうするの?」
「どうするんでしょうね」
「えええ……」
「『覚悟が決まったらこちらにおいで』としか言われてなくて。僕もよくわからないのですけど、たぶんこうする、のかな」
呑気でふわふわとした二人らしい会話と共に、砂時計と月時計が、こつ、と当たる。
瞬間。
人間も妖精も消えて、玉座の間にはたったひとり。
彼らの声がまだ聞こえそうで聞こえない、余韻が残る空間に。
前魔王ルイの血を浴びた、新しい魔王だけが立っていた。
次はエピローグですたぶん




