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夫からの贈り物

ピアノを買ってもらった。

場所も取らない、調律の必要もない、軽くて気軽にできる、電子ピアノ。

しかし、ほんとのピアノと同じように、88鍵盤ある。

だから、どんな曲も弾ける。

鍵盤は、ほんとうのピアノと同じ重さだった。

懐かしくて、胸が震えた。

遅めのお誕生日のプレゼントとしてもらった。

とてもスリムで、見た目が可愛い。

色は、白にした。明るくていい。

3歳から、実家を出るまで、ずっとピアノをやっていた。

私のピアノの先生は、厳しかった。

だから、習っている時は楽しくなかった。

課題曲がどんどん出されてたから、それに追われてた。

今、自由に楽譜を選べるようになって、嬉しい。

きっと忘れちゃってるからと思って、初級のやつと練習曲のを何冊か買ってきた。

楽しい。

特にジブリとj-popが楽しい。

クラシックもいいけど、心を込めて弾ける方がやっぱり楽しい。

ピアノって、数学だから、すごく頭をつかう。

米津玄師さんの『地球儀』が難しかった。

前半、拍子が違う小節同士がくっついてる…？

ずっと分数の計算してるみたいな感じ。

でも、楽しい。

ピアノがなくて、今までの人生、どうして生きてこれたんだろう。

それくらい、好きだ。

ありがたいことに、夫は私のピアノの音が耳障りではないのだそうだ。

「音出して練習していいよー」

と言ってくれる。

最小の音でひっそり弾かせてもらってる。

ホワホワ。

こうして、心に栄養をあげていたら

復職できるくらい、元気になるだろうか。