8/13 森の中の夜
8/13 森の中の夜
私は今、とある森の中にいる。
6月末頃から、仕事がだんだん重くなっていった。
まるで船頭を失った船のようだった。
仕事の割り当て的に、私が舵取りするしかなくなった。ものすごい量の仕事をこなす日々が続いた。
真っ暗な海を進んでる気持ちだった。
そのまま、7月になって、8月になった。
見かねた夫が、先週、私を雑貨屋さんに連れて行ってくれた。
私はそこで、ちいかわのグッズを買った。
実は私は、キャラクターものは買わないようにしていた。
自分のテイストに合わないからだ。
私は普段、レースのタイトスカートにヒールを合わせたり、華奢なチェーンのネックレスにディオールのピアスを合わせたりしている。
完全にコンサバだから、そこにキャラクターものは、ダメだって、思い込んでいた。
でも、ちいかわを知って、最終的に漫画を全巻買って…
仕事に忙殺されていく毎日に、癒しが欲しくて…
なんと、1巻ずつ日替わりで通勤バッグに漫画を入れ、職場に持っていっていた…。
パソコン挟んで右にマウス、左にちいかわの漫画。
それでデスクワークしていた。
多くの同僚が夏季休暇や年休を取得している時期だったので、その地獄絵図を見た人は、まあいないと思うが…
ちょっと、あれは、「末期」に見えたと思う…。
そんな修羅場に入り、日に日に憔悴していく私を夫は感じ取っていたらしい。
お休みのたびに雑貨屋さんを偵察して、ちいかわ情報を集めてくれた。
そして、連れて行ってくれた。
私は、ハチワレのぬいぐるみを買った。
もう、ホワ〜(⸝⸝› з ‹⸝⸝)♡だ。
それから毎晩、ハチワレのぬいぐるみと、ネコちゃんと寝た。(端に夫。)
今、私は何とか無事に夏休みが取れた。
だから、旅行に来ている。
夫が連れて来てくれた。
ハチワレのぬいぐるみは、ネコちゃんがさみしくないように置いてきた。
うちのネコちゃんはいいこなので、一晩ならちゃんとお留守番が出来る。たぶん今頃、ハチワレを枕にしていると思う。
ここの森はすごい。
来る途中、助手席から見上げた空は、美しい緑の木々に覆われていた。
雨が降ると、葉がしずくに打たれて翻って、その瞬間にきらりと光るのだ。
ここに来て初めて知ったことがある。
ひぐらしの鳴き声だ。
よく、カナカナと表現されているけれど、私にとってはtotototoだった。
だから、このセミの声が、ひぐらしだと今日まで気付かなかった。
夫が、「夜ごはん楽しみ〜。」と横で言っているのが面白かった。
露天風呂付きのお部屋なので、夜ごはんを食べたら入ってみたいと思ってた…けど、おなかいっぱいでもう無理そう。
心が安心している夜だ。
夫には、本当に感謝だ。
じわじわ、元気になっている( * . .)"
ありがとう。




