8 集団戦、決着
「な、なんだ、これは――?」
魔族たちが戸惑っている。
それはそうだろう。
彼らが攻撃を食らわせた相手が、突然丸太に変わったのだから。
正直、俺も戸惑っていた。
「これは……フーマのスキル、なのか?」
初めて見るものだった。
「忍術スキル【空蝉】。攻撃を受けた味方を別の物体に入れ替える忍術……今回は全員を丸太と入れ替え申した」
フーマが淡々と告げる。
「直接的な攻撃力で、拙者は他の方々に及び申さぬ。ですが、こうして手助けをすることならば――」
「ああ、最高のタイミングで仕掛けてくれたな」
フーマをねぎらう俺。
「いけ、みんな」
「了解だ、主。僕に続け!」
レオンが先頭を切って駆ける。
他の英霊がそれに続く。
超速で動きまわるレオンが、次々と魔族の首を刎ね飛ばした。
倒れた彼らを、魔術師タイプの英霊たちが呪文を食らわせて完全に消滅させる。
残ったのは、魔族二人と人間の魔術師だけだ。
「お、おのれ……っ」
後ずさる彼を、
「おとなしくしろ」
レオンが一瞬で間合いを詰め、取り押さえた。
さすがの手並みだった。
「よし、そいつから情報を聞き出す。尋問用の英霊を――」
召喚しようとした、そのときだった。
「ええい、役立たずが!」
突然、残った二人の魔族が光弾を放つ。
「しまっ――」
防ぐ暇もなく、男は光弾に貫かれた。
「ぐ……う……」
そのまま息絶える男。
「なりふり構わず口封じか……」
「貴様らのことは覚えておくぞ」
「次は殺す……人間ごときに遅れを取った屈辱、必ず晴らしてやるからな」
「魔族風情が。『次』の機会なんてない。お前たちは死ぬ。今ここで――」
レオンが聖剣を構えた。
どんっ!
その体が、かすんだ。
そう見えるほどの超高速移動。
「お、おのれぇぇぇぇぇっ……」
魔族たちの声をかき消すようにして。
レオンの斬撃が、彼らをまとめて両断した。
これで魔族と魔獣はすべて倒し、あるいは服従させた。
とはいえ、貴重な情報源である人間の魔術師を殺されてしまったのは、痛い――。






