5 集団戦2
「くらえ、【旋風竜閃】!」
スキル名の通り、旋風をまとった一撃が魔族を吹き飛ばす。
「ぬ、ぬおっ……!?」
旋風は魔族の全身にまとわりつき、動きを拘束していた。
「今だ!」
「くらえ!」
そこへ魔法使い系の英霊たちによる一斉攻撃が放たれ、魔族を爆散させた。
「君は――」
「私は『青の竜騎士ゼルス』。お前が『二線級』と称した男だ」
驚いた顔のレオンに、ゼルスが鼻を鳴らす。
『青の竜騎士ゼルス』。
彼のことは歴史書で読んだことがある。
彼の一族は竜の血を引いており、その特性を活かして、乗騎である竜と一心同体の動きができるのだという。
先ほどの攻撃も、彼自身のスキルに竜のスキルを上乗せしたものである。
竜と『同調』して戦う――それがゼルスの得意戦術だった。
「別に君の助けがなくても、今の攻撃は僕ひとりでさばけたさ」
レオンが勝気に言い放った。
「……けど、礼は言っておくよ」
「素直でよろしい」
ゼルスは言って、また鼻を鳴らす。
「ちっ」
「お前がこの中で最強であることは分かっている。だけど、他の英霊たちにだってできることはある」
俺はレオンを諭した。
「彼らの力を借りて――そのうえで、お前が中心になって戦うんだ。大丈夫。お前ならできるよ。最強の勇者様」
「最強か……そうだね」
レオンの目に力が宿る。
……よし、この方向で彼をノセていこう。
と、そのときだった。
るおおおおおおおおおおおおんっ!
咆哮が聞こえてきた。
魔族の操る魔獣の群れだ。
元からその場にいたものに加え、さらに追加で数十体を一気に召喚。
場には百体近くの魔獣があふれた。
「かなりの数だな……」
俺は眉を寄せた。
一体一体は、彼ら英霊にとってそれほどの強敵ではない。
だが、さすがに百体も集まると無視できないほどの『数の暴力』になる。
どう戦わせるか――。
思案した俺は、ふと思いついて一人の英霊に視線を向けた。
「ガドローア、あいつらをお前の力で【テイム】できないか?」
Sランクの英霊『獣操者ガドローア』。
直接的な戦闘能力ではBランク程度だが、モンスターを手なずける【テイム】の能力はずば抜けている――。






