8 探知開始
『【全自動・英霊召喚】が発動しました。結果を表示しますか?』
例によって空中から声が響いた。
「頼む」
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自動召喚種別:探知
召喚英霊 :万里眼グレイス
英霊種別 :支援型
英霊等級 :A
自動行動結果:『魔獣サイフォス』の封印場所を探知し、失敗。引き続き探索を指示しますか? Y/N
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「グレイスでも封印場所を見つけられなかったのか……」
俺はうなった。
「探知能力に長けた英霊を複数体選別して、引き続き封印場所を探ってくれ」
俺は空中に向かって指示出しした。
「聞いた通り、魔獣の封印場所を探るのに失敗した。もう少し時間がかかりそうだ」
俺はレミナに向き直った。
「君には……そうだな、申し訳ないんだが、引き続き事務処理の方を手伝ってもらえるとありがたい」
「もちろんです! お任せを」
「悪いな……地味で面倒な仕事を肩代わりしてもらってばかりだ」
俺はレミナに頭を下げた。
「何を仰るんですか。国難に立ち向かえるのはフレイ様だけでしょう? でも事務仕事の方は私でもできます。他人に任せられる仕事はどんどん投げてください」
レミナがにっこり微笑んだ。
「私、フレイ様のお役に立てるなら、本当に嬉しいです」
「ああ、いつも助かってるよ」
この言葉を彼女に使うのは、もう何度目だろう。
俺は頼もしい同僚に微笑んだ。
「随分と仲がいいんですね」
「……なんだ、お前まで。グレイス」
俺は苦笑交じりに言った。
前方に、巨大なアイマスクをつけた美女がたたずんでいる。
先ほど自動召喚された英霊――『万里眼のグレイス』である。
「まるで恋人同士みたいな雰囲気です」
「俺とレミナはただの同僚だよ」
「ただの……同僚……」
隣でレミナがぽつりとつぶやいた。
「レミナ?」
「ただの……同僚……ただの……」
「ど、どうしたんだ……!?」
なぜか、ちょっと拗ねたような顔をしているレミナに、俺は戸惑ってしまう。
「なんでもありません……ぷいっ」
「『ぷいっ』って」
やっぱり拗ねてないか?
「無自覚いちゃいちゃ……」
グレイスがぽつりとつぶやく。
「なんの話だ?」
俺はますます戸惑った。






