1 俺の日常1
更新再開です!
「魔族の大規模侵攻というのは気になるけど、その辺は向こうの出方を見てから対応するしかない」
俺はレミナ、ボルテック、キキの三人に言った。
今日は恒例の宮廷魔術師会議である。
これが人間界の国同士の問題なら、また別だ。
直接の外交だけでなく他の国との同盟強化など、やれることはいくつもある。
が、異世界である『魔界』から攻めてくる魔族軍となれば、侵略に備えて迎撃、防備する――その準備を常日ごろから整えておく、くらいしかやれることがない。
こちらから『魔界』に行くすべはないからな。
やれることが防衛戦一択なんだ。
「ということで、それまではやれることをやっておこう。俺たちの仕事は魔法戦闘関係以外にいくらでもある」
俺はここの宮廷魔術師になったとき、取り組むべき三つの課題を定めた。
一、魔獣災害対策
二、魔法学園の定員割れ
三、魔法技術を利用したインフラの整備
といった具合だ。
このうちの『一、魔獣災害対策』『二、魔法学園の定員割れ』については、ある程度進めている。
一方で、まだあまり手を付けていない課題がある。
「次は――インフラ整備関係だな」
「インフラか……」
ボルテックがうなった。
「そういえば、大国じゃ夜でも明るいっていうな」
「上下水道完備なんていうのも聞くねー」
と、キキ。
「都心も地方も分け隔てなく、インフラが整っている、というそうです」
これはレミナだ。
「そうだな。俺が前にいた国もそうだった」
と、俺。
「アーシアでも、いずれはそのレベルまで持っていきたい」
「でも、それってあたしたちの仕事?」
キキが首をかしげた。
「まあ、どちらかというと内務大臣たちの仕事だろう。ただ、魔術師としてやれることが結構あるからな。そこを突き詰めていきたい」
俺が言った。
「この国をよくするためにな」
「ふふ、そうだね」
「ま、便利になるなら、それに越したことはねーな」
「フレイ様に従います」
「よし。じゃあ、さっそく英霊を呼び出すよ――インフラ整備で腕を振るってくれそうな英霊たちを選んで呼び出してくれ」
俺は空中に向かって呼びかける。
俺が使い魔として従える英霊は全部で一千。
呼び出す頻度が高い英霊については記憶しているが、さすがに千の英霊すべてについて、詳細に把握することは難しい。
だから、こうして呼びかけることで自動的に召喚してくれるこの術式は本当に便利だ。
リディア家の当主に代々受け継がれてきた【全自動・英霊召喚】。
今後もまだまだ助けてもらわないとな――。






