19 限界の先の終局2
「おおおおおっ!」
「まだまだぁっ!」
レオンやゴルの攻撃が魔竜に叩き込まれる。
苦鳴を上げて後退する魔竜。
そこへ、魔力弾が立て続けに撃ちこまれた。
強大なエネルギーに焼かれ、白煙を上げる魔竜の体。
攻撃を積み重ね、さすがの魔竜もダメージを受け始めたのだ。
「お、おのれ……!」
魔王が乗騎を守ろうと剣を振るうが、他の英霊たちが波状攻撃を仕掛け、その動きを止める。
魔力弾がさらに魔竜へと叩きこまれた。
「あと少し――」
「ええ、あと少しです」
メーヴェとハーヴェルがうなずき合う。
もう少しで魔竜を打ち倒せる――。
「おの……れ……っ」
ラギリムがうめいた。
さすがに魔王は獅子奮迅の活躍を見せた。
何度となく五十の英霊が押し返されそうになった。
何体もの英霊が消滅し、一時的に戦闘不能になった。
だが、それでも英霊たちは諦めなかった。
少しずつダメージを積み重ね、竜を打ち倒し、ついに魔王を追い詰める――。
「なるほど……人間といえど、これだけ英雄クラスが集まれば無視できない戦力になる、か」
ラギリムがうめく。
「貴様らごとき、百でも千でも蹴散らしてやろうと思ったが――」
「人間を舐めないでよ」
メーヴェが告げた。
「あたしは死んだ後も、ずっと修業しているんだ。お前たちみたいな連中を倒すために」
「我ら、肉体は滅んでも志は永遠に続く――」
ハーヴェルが杖を構えた。
「我らが魂は人々の未来を築くための礎となろう」
「はあ、生真面目だねぇ。俺はただ霊になった後も戦いたいだけだ。お前ら魔族への憎しみは、死んだくらいじゃ消えねーんだよ」
ゴルが大斧を構えた。
「野蛮な男だ。僕は己の使命のままに魔を討つだけさ。相手が魔王だろうと誰だろうと」
レオンが剣を構えた。
他の英霊たちもそれぞれ武器を構えている。
「簡単にはやられんぞ……この俺は」
魔王が剣を手に吠えた。
「さあ、来い!」
魔王と英霊たちがふたたび、そして今までで最も激しくぶつかり合った。
斬撃と斬撃、爆光と爆光が行き交い、そして――。
長い長い戦いの果て、ついに『赤の魔王』ラギリムは倒れた。






