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17 赤の魔王との激戦

 英霊たちの放った大火力呪文がいっせいに魔竜へと向かっていく。


「こざかしい!」


 ラギリムが竜の前に出た。


「【魔王烈破連撃斬サタニックブレードラッシュ】!」


 連続斬撃スキルを発動する魔王。


 ボウッ……!


 その剣に強大な魔力が宿った。


 ざんっ、ざしゅっ、ばしゅぅっ……!


 降り注ぐ大火力呪文の数々を、ラギリムは剣一本で斬り払っていく。


「な、なんだ、これは――」


 俺は呆然とその光景を見つめた。


 ただの呪文ならともかく、英霊たちが放つ大火力魔法を魔力を込めた剣だけで防いでいくとは――。


 やがて、すべての呪文が斬り散らされてしまった。

 当然、奴らへのダメージはゼロだ。


 ――信じられない。


 規格外の魔力と剣技である。


「へえ、剣一本で防ぎきるとは、やるねぇ」


 メーヴェがうなった。


「あのときのガルヴェラ以上の強さかもしれないね……!」

「当たり前だ! この俺こそが最強の魔王! 他の六魔王の誰にも負けん!」

「へっ、魔法が通じないなら近距離戦闘しかないよなぁ!」


 進み出たのは、『破砕騎士ゴル』。


「調子に乗るなよ。奴に近接戦闘を挑めるのは僕しかいないだろ」


 と、『極光の聖騎士』レオンがその前に出る。


「おい、引っ込んでろ、小僧。お前、さっき魔王に負けたじゃねーか」

「なっ……!? 魔王討伐実績のあるこの僕に、失礼だな君は!」

「うるさい、奴は俺がやる!」

「君みたいな力だけの馬鹿に倒せる相手じゃない」

「力だけの馬鹿だと? もう一回言ってみろ、小僧」

「ちょっと待った。そこまでだ二人とも」


 いきなり喧嘩を始める二人に、俺は額を押さえつつ仲裁した。


 まったく……英霊たちは我が強い者がとにかく多い。


「相手は魔王だ。一人で挑むのではなく連携して戦ってほしい」


 俺はゴルとレオンを見つめた。


「魔王との戦いとなれば、その行く末には世界の存亡がかかるだろう。かつて英雄と名を馳せたお前たちの力で、この世界を救ってほしい」


 とうとうと言い聞かせる。


「……まあ、喧嘩してる場合じゃねーしな」

「ふん、連携は気に食わないが、さっき一度不覚を取ってるからな。今回は君の言葉を聞こう、主」


 ゴルとレオンは不満げな様子ながらも、うなずいた。


「ありがとう二人とも。他にも近接戦闘が得意な英霊たちで組んで、魔王を攻撃だ。魔術師組は魔法で援護、チャンスがあれば魔法攻撃も許可する」

「了解」


 英霊たちがうなずく。


「よし、いけ――」


 今度は近接戦闘タイプの英霊を中心に、第二波攻撃を仕掛けてやる――。

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