14 対魔王&魔竜戦
しばらくの間、もうもうたる黒煙と爆炎は収まらなかった。
超騎士ともいえるレオンの斬撃に加え、二人の超魔術師が同時に攻撃を放ったのだ。
この三連攻撃でどれくらいダメージを与えられただろうか。
もちろん、倒せていたらそれが一番だが、相手は魔王だ。
そこまで甘くはないだろう。
それでも中程度のダメージは――、
「言ったはずだ。こいつは十三層の魔法耐性鱗がある、と」
爆炎の向こうから『赤の魔王』と紅の巨竜が現れる。
まさか、無傷――?
「……だが」
驚く俺に、魔王が言った。
顔をわずかにしかめ、
「さすがに多少の手傷は負った。大したものだな」
魔王はほぼノーダメージのようだが、竜の方は全身から流血していた。
見た目には大きなダメージを受けているように見えるが、果たして――。
「よく俺の身を守ってくれた。礼代わりに、俺の魔力を食らえ。回復しろ」
ラギリムが竜の体を撫でる。
ぐううううるるるるるおおおおおおっ!
雄たけびを上げながら、紅の竜が巨体を揺すった。
たちまち、ズタズタに裂けた鱗が元通りになり、完全に再生して今う。
超速再生能力――か。
「さあ、こっちからも行かせてもらうぞ」
魔王が剣を構える。
その刀身が黒い魔力のオーラに包まれた。
背後では紅の巨竜が雄たけびを上げ、ドラゴンブレスを吐き出す。
「ちいっ!」
すかさず防御魔法でブレスを弾くハーヴェル。
「押される――!?」
ハーヴェルの防御魔法が、ドラゴンブレスに押しこまれていった。
「魔王だけじゃなくて竜も並じゃない、か。まったく――」
ハーヴェルの隣でメーヴェが同じように防御魔法を唱える。
防御フィールドが二重になったことで、かろうじてブレスと拮抗した。
ばちっ、ばちっ、と強烈なスパークをまき散らしつつ、防御フィールドとブレスがぶつかり合う。
「これで魔術師たちは防御で手いっぱいになったな。そこの騎士には、俺との戦いに付き合ってもらおうか」
「いいだろう。一対一なら僕が勝つ」
魔王の誘いに乗るレオン。
「いくぞ!」
両者は同時に駆け出した。
魔王の魔剣とレオンの聖剣が閃く。
二人の斬撃は無数の閃光となり、数十、数百とぶつかり合った。
「――くっ!?」
押されているのは、レオンの方だ。
「馬鹿な!? この僕の剣が通用しない……!?」
「しょせんそれが人間の限界ということだ。そら、もっと速くするぞ!」
魔王の剣が勢いを増す。
レオンは防戦一方となった。
ハーヴェルもメーヴェもドラゴンブレスの防御にかかりきりで、彼のフォローに入れない。
「どういうことだ? あの三人では魔王に立ち向かえないのか――」
俺はうめいた。
「……そうか」
そこで気づいた。
さっきの『システムメッセージ』への問いかけは、あくまでも『赤の魔王』単体と戦うときの最適編成だ。
竜が加わった今、最適の編成は変わってくるかもしれない。
「彼らを援護しろ! 英霊を追加で召喚!」
俺は空中に向かって叫んだ。
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【警告】
英霊召喚数が一定を超えた場合、術者へのフィードバックの危険性あり。
フィードバックが限界を超えると、術者の精神が破壊されます。
本当に追加召喚しますか?
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なんだ、このメッセージは――。






