13 極光の聖騎士
「さあ、魔王退治と行こうか」
レオンが剣を抜いた。
鎧と同様に刀身が七色に輝く剣である。
「『聖神の剣』――僕だけが使える世界最強の聖剣さ」
「ほう、聖神の力を秘めた剣か」
魔王がうなった。
「魔王クラスの魔族をも一撃で切り裂く力を持つ――お前といえども例外じゃない」
「やってみろ。その刃が俺まで届くなら、な」
「届かせるさ」
レオンが前に出る。
「君たち二人は僕の援護だ。まあ、援護なんてなくても僕一人で魔王に勝ってもいいんだけど」
と、メーヴェとハーヴェルに言い放つ。
「ふん、魔王を甘く見ないことだね」
メーヴェはレオンをにらみつけている。
一触即発の空気だ。
「甘く見てるわけじゃないさ。ただ僕は知っているんだ。実際に魔王を討伐しているからね」
「援護はお任せください。ご武運を」
一方のハーヴェルは大人の対応だった。
穏やかにそう告げる。
「そっちの君は物分かりがいいね。気に入ったよ。そっちの女も僕に従え。いいな!」
「なんだと……!」
「じゃあ、仕掛ける――」
メーヴェとそれ以上言い合うことはせず、レオンが地を蹴った。
速い――。
さすがに大言壮語するだけあって、レオンの動きは異常なほどの速度だった。
無数の残像を作りながら、赤の魔王へと肉薄する。
「ほう!? 人間にしては大した身のこなしだ」
「対魔族用の特殊白兵戦闘術『帝煌』――僕だけが使える体さばきさ!」
レオンは得意げに叫び、ラギリムとの間合いを詰める。
「まあ、先に奴から倒すんだけどね」
そこでいきなり方向転換し、魔王の傍らにいる竜へと向かっていく。
最初にラギリムへと向かってみせたのはフェイントか。
「ちいっ」
魔王がすかさずフォローしようとするが、レオンの方が一歩早い。
「はあっ!」
レオンは聖剣を一閃させた。
ほとばしった七色の斬撃衝撃波が、紅の巨竜を切り裂く。
ぐるるるおおおおおおおおおおおおおおおおおっ……!
竜が悲鳴を上げた。
巨体が、どうっ、と尻もちをつく。
「いまだ、二人とも!」
「やるね、小僧――【地を割る衝撃】!」
「後は私たちが――【螺光黒煉破】」
メーヴェとハーヴェルがすかさず攻撃呪文を放った。
魔王と竜の足元だけを襲う大地震。
さらに数十条の漆黒の光線が二体を襲う。
すさまじい爆発が起こった。






