9 英霊大量召喚
「加勢が必要ならいくらでも呼ぶがいい。お前たちの準備が整うまで待ってやる」
赤の魔王が哄笑した。
「ああ、遠慮なくいかせてもらう」
一対一で正々堂々、なんて言っていられない。
相手は魔王だ。
どんな手段を使っても必ず倒し、国を守ってみせる。
この国の筆頭宮廷魔術師として――。
俺は英霊を追加で召喚した。
「暴れさせてもらうぜ、主!」
『破砕騎士ゴル』が吠えた。
「ジワジワといたぶってあげる……うふふふ」
『千の呪殺ミルリ』がほくそ笑む。
さらに、先日の模擬戦でメーヴェに挑んだ五人の魔術師もいる。
『火炎導師』ゴーガ。
『魔剣砲』シュトルフ。
『氷輪の結界士』ザナトベード。
『双爆』ファービィ。
『幻惑の魔眼』リット。
他にも一騎当千の戦士や魔法使いたちがズラリと並んでいる。
総勢、百名――。
壮観の一言に尽きた。
「はあ、はあ、はあ……」
ただし、俺の方もそれなりの消耗を感じている。
一度にここまで召喚したのは初めてだ。
これとは別に、結界作成や魔獣監視などで複数の英霊を常駐させているからな。
「魔力をだいぶ持っていかれたか……」
けど、ここが踏ん張りどころである。
「ほう、百対一か」
ラギリムが笑った。
これだけの数を相手に余裕の表情だ。
「……笑っていられる状況じゃないと思うが」
俺は赤の魔王を見据える。
「どうする? 降伏か? それとも殺されるか――好きな方を選べ」
「ははははははは! 魔王に対して降伏勧告だと! 笑わせるなよ、人間!」
哄笑するラギリム。
こいつ――。
虚勢じゃない。
百体の英霊を前にしても、闘志がまったく萎えていない。
むしろ、より燃え上がっている。
本気で、この人数を相手に戦う気か?
本気で――勝てるつもりか……!?






