4 レミナの十五分クッキング
「塩少々中火でとろみがつくまで煮込みつつもう一品のためにドレッシングを和えて美味しくなーれ美味しくなーれがんばれレミナここが腕の見せ所フレイ様にアピールするのよがんばれがんばれ」
つぶやきながらレミナは怒涛の勢いで調理をしていた。
ちなみに、どこに持っていたのか、彼女はエプロン姿だ。
美人だけあって、こういう姿も似合う……っていうか、ちょっと見とれてしまいそうになる。
「す、すごい気合いだな……」
「ふふ、あんたのためにがんばってるねぇ。健気だわ」
バーバラがにこやかに笑っている。
「俺のためっていうか、バーバラのためだろ。彼女は宮廷魔術師なんだ。仕事の一環として――」
「鈍感もあまり度が進むとよくないんだわ」
バーバラがため息をついた。
「彼女の気持ち、もうちょっと汲み取れるようになったほうがいいね。これは英霊としてではなく、一人の女として忠告しておくんだわ」
「??? よく分からないが……がんばってみるよ」
「ふうっ、出来上がりました!」
十五分ほどして、レミナが俺たちのもとに料理を運んできた。
かなり手早く料理してくれたようだ。
「ほう、これは美味そうなんだわ」
「ああ、いい匂いがする」
俺とバーバラが顔を見合わせて、にっこり笑った。
レミナが作ってくれたのは三種の料理だった。
和え物のサラダに炒め物、汁物。
それぞれが香ばしい匂いを漂わせ、彩も豊かで見た目からして美味しそうだ。
「すごいな、レミナ。ありあわせの材料だけでこんなに作れるなんて」
「えへへ、がんばりました!」
俺の言葉にレミナは嬉しそうにうなずいた。
……もちろん、料理の得意な英霊を呼び出す選択肢もあったわけだけど、彼女の気持ちを尊重して調理を任せてよかった。
「おおおおお!? こ、これは美味いんだわ!」
さっそく食したバーバラが歓喜の声を上げた。
「ん。いけるな!」
「ありがとうございます、お二人とも。嬉しいです」
レミナがにっこりとして一礼する。
彼女自身は味を確かめるようにゆっくり食べていた。
「ふうっ」
一方でバーバラはあっという間に完食。
「美味しくて一気に全部食べちゃったんだわ。ふううううううううっ!」
そして気合いの声とともに、全身から魔力のオーラをほとばしらせる。
まるで炎のようなオーラが燃え上がった。
「すごい! あとからあとから魔力があふれてくるんだわ。あんたの料理のおかげだねっ!」
「そう言っていただけると光栄です」
「確かにすごい魔力量だ。これなら結界作りもはかどりそうだな」
「当然! さっそく作業してくるんだわ! レミナちゃん。ありがとう~!」
言って、バーバラは去っていった。






