3 薬草
「バーバラが魔力をブーストするために必要な薬草を集めてほしい。適切な英霊を選出してくれ」
俺は空中に呼びかけた。
例によって、今回の仕事に最適な英霊が選び出される。
「バーバラ、彼らに薬草の説明を頼む」
「了解だわ。まず必要な薬草は七種あって――」
と、説明をするバーバラ。
説明を終え、ほどなくして俺の元に大量の薬草が集まった。
所要時間は三十分程度。
七種の薬草を探すために、国をまたいで飛び回ったはずだが、異様に速い。
さすがは英霊たちだ。
「……いつも思うけど本当に楽だな」
俺は一声かけるだけ。
後はメンバーの選出から作業終了まで全自動なのだ。
「どうせなら、あんたたちも食ってく?」
バーバラが言った。
「一時的に魔力が上がるのはもちろんだけど、恒常的な効果もあるんだわ」
「恒常的?」
「たとえば、もともとの魔力が10として、これを食うと一時的に50から70くらいに上がる。その後、一定時間が過ぎると魔力は下がるんだけど、もとの10になるんじゃなくて、11か12くらいにはなるんだわ」
「つまり――元の魔力が底上げされる、ってことか?」
「まあ、ちょっとだけだけどね。それでも基本魔力を上げておいて損はないんだわ」
笑うバーバラ。
「なるほど……」
俺自身の魔力はそれほど高くない。
これを機会に少しでも底上げしておくか。
もっとも、基本的に英霊に頼りきりの俺だ。
自分の魔力を使う機会が、そうそう巡ってくるわけじゃないだろうけど――。
「どうやって摂取するんですか?」
レミナがたずねる。
「んー……基本的にサラダかな。あたし、料理はからっきしなんだわ」
と、バーバラ。
要はそのまんま食べるってことか。
俺たちは薬草を口にしてみた。
「うっ」
「このままだと味がちょっと苦いですね……」
俺とレミナは顔を見合わせる。
「確かに美味くはない……けど、魔力を底上げするためには仕方ないんだわ。これを美味しくするスキルは、あたしにはないんだわ」
「私、多少の料理ならできますよ」
と、レミナ。
「本当かい? じゃあ、もうちょっと美味しく仕上げることも?」
「炒めたり茹でたり、あるいは調味料と合わせて効果が損なわれる、ということがないなら……やってみます」
「ああ、最初に薬草七種を融合させれば、後はどう調理しても効果は同じなんだわ」
「へえ、料理してくれるのか。楽しみだ」
俺はにっこりとして言った。
「あ、あまり期待されても……」
「ああ、悪い。プレッシャーかけるつもりはなかったんだ。ただ純粋に楽しみなだけで……」
「っ……! よく考えてみたら、これは女子力アピールのチャンス……っ!」
謝る俺に、レミナが何かに気づいたように表情を引き締めた。
「レミナ……?」
「やっぱり、多少期待していただいても大丈夫です、フレイ様!」
なんだなんだ、急に気合が入りだしたぞ、レミナ……?
「不詳、レミナ・レザーク、調理させていただきますっ」






