14 そして、また日常へ
「模擬戦をやって、どうだった? みんな、少しは気が済んだか」
俺は周囲に浮かぶ光球に――その内部にいる英霊たちに呼びかけた。
「ま、メーヴェに完敗したのは悔しいが」
「納得はできたさ。確かにあの女は強い」
「そこは認めよう」
「ただ、英霊になったからといって成長が止まるわけじゃない。まだまだ鍛えるぞ、俺は」
「だな。次はリベンジだ」
と、メーヴェに敗れた五人の英霊たち。
「ふん、いつでも受けて立つよ」
メーヴェが鼻を鳴らしたようだ。
「ま、あたしはあたしでリベンジしたい相手がいるけどね」
「……私は勝ったつもりはありませんよ。やはり、あなたこそが随一の強者だと思っています、メーヴェ様」
ハーヴェルが言った。
ま、少なくとも気が晴れたことは確からしい。
「魔術師連中ばっかりずるいぞ」
「俺たちだって最強決定戦をしたい」
「次は近接戦闘系の模擬戦をやってくれ」
と、剣士や武闘家などの英霊たちが騒ぎ出した。
「申し訳ありません。模擬戦用のフィールドを作るためには、しばらく魔力を回復させないと無理のようです」
と、ハーヴェル。
「他に模擬戦用の異空間を作れそうな英霊はいないからな。近接戦闘の模擬戦は次回開催ってことで勘弁してくれ」
俺は英霊たちに言った。
とりあえず――『第一回・英霊魔術師たちの模擬戦』は終了だ。
三日後。
「おはようございます、フレイ様」
出勤すると、レミナが挨拶をしてきた。
「おはよう……と、そういえば、今日はボルテックもキキも休暇だったか」
昨日、二人から申請があったことを思い出す。
「毎月、有給休暇を消化しないといけませんからね」
「なるほど。じゃあ、今日は俺とレミナの二人っきりか」
「っ……!」
つぶやいたとたん、レミナが顔を赤くする。
「ん、どうした?」
「い、いえ、そういえば二人っきりだな、って」
と、今俺が言ったことを繰り返すレミナ。
「フレイ様と……二人……二人……えへへ」
なんだか、妙に嬉しそうだ。
ともあれ、今日も一日――仕事を頑張っていこう。
仲間とともに。
英霊とともに。






