3 英霊の役割
「受験生の……いえ、本学生のみなさん。今から私がちょっとした魔術を披露します」
ハーヴェルが壇上から言った。
「みなさんの中には魔術自体を見たことがないものもいるでしょう。魔術というのはイメージを作ることがとても重要です。実際に魔術が行使されるのを目にするだけでも、実力を上げるのに役立ちます。ゆえに」
右手を掲げる。
カッ!
まばゆい輝きが弾けた。
光は、無数の流星となって乱舞する。
やがて、それらの光は各学生に降り注いだ。
次の瞬間、彼らの腕にクラスを示した腕章が出現している。
「おお~!」
「す、すげー!」
「素敵……ハーヴェル様ぁ」
生徒たちから歓声が上がった。
確かに、すごい。
「今のは【物質操作】【物質変化】【目標固定】【目標識別】などの魔術を組み合わせたものです」
と、優雅に一礼するハーヴェル。
「先ほど見た各学生の魔法の素質に応じて、おおまかにクラス分けもしておきました。四種類の腕章はそのクラスに対応しています」
「……ち、ちょっとハイレベルすぎないか? そんな魔法を使える奴、世界に何人もいないだろう……」
少なくともハーヴェルと同じレベルで扱える奴は一人もいないはずだ。
「お言葉ですが、主。若者には無限の可能性があります。このクラスの魔法とて、習得できる者が現れるかもしれません」
ハーヴェルが言った。
「いえ、現れてほしいものです。私を凌ぐ魔術師となり、魔法のさらなる発展を目指してほしい」
「なんか、完全に教育者モードだな、ハーヴェル」
「……恐れ入ります」
キラルは魔法学園関係は充実していたし、そもそも俺の職務の範囲じゃなかったから、英霊を活用する機会はなかった。
俺の職務は主にキラルに襲来する魔獣への対応だ。
それも大部分は結界で防げるし、たまにそこから漏れて襲ってくる個体は英霊を向かわせて、すぐに倒していた。
だから、キラルでは英霊を戦闘や索敵以外の目的で活用した経験自体がほとんどない。
だけど――、
「戦いより、こういうことの方が向いてるのかもしれないな。英霊には」
アーシアでは思う存分に活用しよう。






