6 フレイ、騎士団と魔法戦団から認められる
「おはようございます、フレイ様!」
王城に行くと、正門のところに大勢の騎士や魔法使いが並んでいた。
左右にずらりと並び、俺に対して最敬礼している。
「おはよう」
挨拶を返しつつ、俺は戸惑っていた。
「どうしたんだ、みんな?」
「昨日はきちんとお出迎えができなかったもので。今日はみんなで我らが英雄を迎えようと!」
騎士団の長が言った。
壮年の、実直そうな男だ。
「昨日のご活躍、聞き及んでおります。高位魔族と魔獣の軍団をたった一人で退けるなど――さすがの手並みです!」
魔法戦団の長が俺を称える。
こちらは中年のふくよかな女性だった。
「あなたが我が国に来てくれてよかった」
「我々も――それに国の民も、みんながあなたに感謝しています」
「あまり過大に評価しないでくれ。俺は前の国では成績不良で追放された身だ」
苦笑する俺。
「キラルは大国です。色々とあるでしょう……」
騎士団長が小さく首を振った。
その隣で魔法戦団の長がうなずいている。
宮廷闘争に巻きこまれたのだ、ということを察しているのかもしれないな。
「今の俺はアーシアの宮廷魔術師だ。この国のために全力を尽くすよ」
おおおおおっ、と全員が歓声を上げた。
なんだか称えられすぎな気がするが……まあ、いいか。
みんなの期待に応えられるように、がんばらないとな。
「おはようございます、フレイ様」
執務室に入ると、すでにレミナがいた。
「早いな、レミナ」
「早くフレイ様に会いたくて」
「えっ」
「あっ、じゃなくて、えっと、なんとなく早く出勤しただけです……」
顔を赤くして、消え入りそうな声でつぶやくレミナ。
どうしたんだ?
この執務室は俺たち四人の宮廷魔術師が共同で仕事をしたり、会議をしたりできる作りだ。
魔術師、といっても書類仕事もそれなりにあった。
「まずはそれを片付けるか」
「私もやります。内容のチェックなど手伝えるところは――」
レミナが申し出る。
「ありがとう。けど」
『【全自動・英霊召喚】が発動しました。結果を表示しますか?』
予想通りのアナウンスが聞こえた。
「ああ、頼む」
──────────────────────
自動召喚種別:業務
召喚英霊 :『才気煥発の事務官』マドック
英霊種別 :支援型
英霊等級 :B
自動行動結果:術者の担当書類の事前チェックを行う。記載不備、改善提案などを答弁可能状態で待機。
──────────────────────
「事前チェックはもう終わったよ」
「えっ」
「書類仕事も英霊のおかげで捗るな」
俺は小さく笑った。






