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3 戦勝の食事会

 俺たちは最高の料理やデザートを楽しみながら歓談していた。


「ギギリムは『赤の魔王』の実の弟だ。その魔力や戦闘能力は魔王級に準ずるレベル。よく一撃で倒したものだ」


 ガルヴェラが言った。


「そいつは――物理攻撃力なら英霊の中でも最強クラスだからな。いくら準魔王級といっても、攻撃スキルの直撃を受けたんだ。ひとたまりもなかったよ」


 答える俺。


「ふむ。さすがはリディアの血族だな。我がかつて人間界に侵攻したとき、もしも当時のリディア家が戦線に加わっていたら、どうなっていたか……」

「当時のリディア家はお前と戦わなかったのか?」

「ああ、そのときは異世界で別の敵と戦っていた、と聞いている」

「異世界?」

「精霊の世界にいる邪悪な精霊王の一体だと聞いた……そちらにも人間界を脅かす敵がいたらしい」

「へえ……」


 知らない話だった。

 というか、先祖がどんなふうに英霊を使っていたのか、とか、何と戦っていたのか、とかあまり詳しくは知らないのだ。


「恐れながら」


 ナルガが言った。


「フレイ様はそのお力をもっと広い範囲で使おうとはされないのでしょうか?」

「えっ」

「1000体もの英霊を使い魔として従えているのです。その気になれば、世界を手に入れることさえ叶うのでは?」

「世界征服戦争ってことか?」


 俺はナルガの言葉にポカンとなった。


 いや、まあ……確かにそれだけの戦力かもしれないな。


 正直、そんなこと想像したことがなかった。

 俺にとってこの力は『誰かを攻撃するもの』っていうよりは『降りかかる火の粉を払うもの』って感覚がずっと強いんだよな。


 自分から積極的に英霊たちを使って戦う、っていうのが感覚的にピンとこないというか……。


「そもそも、世界征服なんてしようともしたいとも思わないしな」


 苦笑する。


「――ナルガ」


 ガルヴェラがナルガを軽くにらんだ。


「口が過ぎました。大変なご無礼を……お許しください」


 深々と頭を下げるナルガ。


「いや、いいんだ。ガルヴェラも叱らないでやってくれ」

「汝がそう言うのであれば」


 ガルヴェラがうなずく。


 そのとき、ナルガと目が合った。

 目が、笑っていない。


 まるで値踏みするように、ナルガは俺をジッと見つめていた。




 俺はその後、城を後にして元の世界へと戻った。

 自宅に戻って、すぐに就寝する。


「今日はちょっと疲れたな……」


 けど、明日からはまた通常業務が待っている。


 英霊たちと、そしてレミナたちと一緒に――明日もがんばろう。

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