2 ふたたび面談
「もう少し奴らの情報を得たかったが、その前に倒してしまった……すまない」
「いや、ともかく無事に撃破できて何よりだ」
と、ガルヴェラ。
「ただ、ギギリムは気になることを言っていた。人間側が魔界侵略の準備をしていたために、こちらから攻め入った――と」
俺はガルヴェラを見つめた。
「何か知っているか、ガルヴェラ?」
「魔界侵攻……か」
うなるガルヴェラ。
「我がまだ魔王だったころ……そんなことを『青の魔王』が言っているのを聞いたことがある。もっとも彼は穏健派ゆえ、調査にとどめていたが――」
「今の『赤の魔王』はどうやら武闘派らしいな」
「ああ、ラギリムは人間を激しく憎んでいる。機会があれば、この世界に攻めこもうとするだろう。これで人間界侵攻の口実ができた、と嬉々としているかもしれん。人間と魔族の本格的な戦争が始まるかもしれんな」
ガルヴェラは物騒な意見を述べた。
「戦争か……」
「まだわからん。魔界侵攻を企てている国があるなら、そこだけを集中的に叩くかもしれぬ」
「そこだけを……」
奴らが現れたのはキラルの国境だった。
なら、キラル王国にそんな企みがあるっていうのか……!?
それとも、もっと別の――。
「とりあえず、慎重に調べていかないとな」
もう少し考えを整理してから、調査に優れた英霊を使って、いろいろと調べものだ。
「話はこれくらいでいいだろう。そろそろ食事時ではないか? せっかくだから、我の方で食事を振るまおう」
「えっ」
「何を驚いた顔をしている」
ガルヴェラは小さく鼻を鳴らした。
「我らは同盟者だろう? 少しくらい親睦を深めてもいいのではないか?」
「あ、ああ、魔王から食事を誘われるなんて、ちょっとびっくりしただけだ」
「元魔王だ」
訂正するガルヴェラ。
「では、用意させるか。ナルガ、執事に言って食事を――」
「それなら俺の英霊に頼もうか?」
俺がふと思いついて言った。
テーブルの上には豪勢な料理やデザートがこれでもかと並べられていた。
「ほう……これはすごいな」
ガルヴェラが感嘆した。
稀代の料理人を複数名、さらにデザートには天才菓子職人を配置し、およそ考えうる世界最高のフルコースだ。
「本来なら我が振る舞うべきところを……恐れ入る」
「いや、食材はそっちで用意してもらってるし、何よりも英霊たちもたまには現世で腕を振るいたいだろうからな」
実際、料理を担当した英霊たちはみんな満足げだった。
俺に一礼して、もとの異空間に去っていく。
「では、食すとしよう。ちょっとした戦勝記念だ」
「ああ」
俺とガルヴェラ、そしてお相伴にあずかるナルガの三人でちょっとした戦勝パーティが始まった。






