6 帰還、そして……
「フレイ様、おかえりなさい!」
元の執務室に戻ると、レミナが駆け寄ってきた。
「よかった……ご無事で……」
ホッとした顔だ。
「あ、もちろんフレイ様の実力は存じてますけど……やっぱり心配だったので」
「大丈夫。俺も英霊も無事だ」
レミナに微笑む俺。
「こっちは変わりないか?」
「ああ、何もないぜ。大将」
「といっても、フレイくんが異空間に行ってから三時間くらいしか経ってないけどね」
ボルテックとキキが言った。
「よし、じゃあ、俺からの報告だ――」
俺は三人に異空間内で出会ったガルヴェラのことを話した。
――といっても、彼女が魔王であることなどは伏せた。
強力な魔族の一個体と出会い、彼女と互いに不可侵の約束をした、というふうに話を変えておく。
レミナたちに嘘をつくことになり、心苦しいが、こればっかりは本当のことは言えない。
「戦わなかったんだな……大将の英霊たちを使えば、倒せたんじゃないのか?」
と、ボルテック。
「どうかな……今回の奴はけた違いに強い。そう簡単な相手じゃないとは思う」
英霊が1000体いるといっても、全員が戦闘要員じゃない。
それに戦闘能力自体も、最上位のSクラスと最下位のCクラスでは、けっこうな開きがある。
ガルヴェラに侵略の意思がないなら、いたずらに交戦するよりも暫定的な味方にした方が得策だと判断したのだ。
――という感じで、その日の会議はお開きになった。
ガルヴェラとの会談で思った以上に時間を食ったからな。
魔獣対策以外の議題は明日に持ち越しだ。
「明日もよろしく頼む。解散」
「よろしくお願いしますね、フレイ様」
可愛らしく会釈して去っていくレミナ。
「またな、大将。俺はこれから酒場に行ってくるぜ。仕事の後の一杯は美味いからな……それじゃ!」
がはは、と笑って退室するボルテック。
「あたしは家でごろごろするねー。また、明日。フレイくん」
にっこり手を振り、同じく退室するキキ。
「ああ、三人とも今日はお疲れさま」
俺は三人が去った後、ふうっと息をついた。
会議やガルヴェラとのことで、それなりに疲れていた。
けど、それは充実感と直結したものだ。
キラル王国にいたころには感じなかったもの。
日々の仕事が義務や苦痛ではなく――。
レミナたちと一緒にいると、『喜び』や『やりがい』として感じられる気がした。
「さ、俺も帰るか」
つぶやいた、そのときだった。
『【全自動・英霊召喚】が発動しました。結果を表示しますか?』
空中から声が響いた。
一体なんだ、と怪訝に思いつつ、
「頼む」
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自動召喚種別:索敵
召喚英霊 :万里眼グレイス
英霊種別 :支援型
英霊等級 :A
自動行動結果:クラスA以上の高位魔族を感知
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