表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/187

3 魔王ガルヴェラ1

「くだらん。あたしが知っている魔王の姿とは全然違うぞ。そんな変身魔術であたしを惑わすつもりか」


 メーヴェが鼻を鳴らした。


「魔力の質は、魔王ガルヴェラによく似ている――いや、魔王そのものだが」

「お待ちください、メーヴェ様」


 ハーヴェルが言った。


「変身魔術が使われている気配はありません」


 呪文の制御に誰よりも長けた彼が言うなら、事実なのだろう。


「……じゃあ、あれが魔王の真の姿だと? あたしが戦った魔王は屈強な大男だったぞ。性別からして違う」

「あのときの姿こそ、変化させられていたものだ。これこそが我の真の姿。偽りは申しておらぬ」

「変化『させられた』?」


 俺は眉を寄せた。


「まるで誰かに強制されたような物言いだな。魔王のお前に強制できる存在なんているのか?」

「……いるさ」


 ガルヴェラがうつむく。


魔王神(まおうしん)が、な」

「魔王……神?」


 俺はおうむ返しにつぶやいた。

 聞いたことのない単語だ。


「……誰か知っているか?」


 念のために四人に聞いた。

 四人とも首を左右に振った。


「人間には知るべくもない。我ら魔族とて、その存在を知る者は限られたごく一部だ」


 ガルヴェラが言った。


「魔族のトップは七人の魔王――だが、さらにその上に位置する存在がいる。魔王たちの神ともいうべき最上位存在……それこそが魔王神だ」

「……ふん、ではお前は魔族の支配者ではない、と?」

「いや、支配者であることは確かだ。魔王神は魔王たちの統治に干渉しない」


 と、魔王。


「話が少し逸れたな……本題に戻そう。我は魔王の座を退くことになった」

「えっ」

「できれば魔界から離れて暮らしたい。そこでこの世界に近しい空間に居城を築いたのだ」

「この異空間で生活していく、ってことか?」

「その通り」


 魔王がうなずく。


「人間界のすぐそばに陣取る気か? ふざけるな。侵略の前段階だろう!」


 メーヴェが怒る。


「ここから先は取引だ。人間よ――おそらく汝は、世界の誰よりも強大な力を持っている――受け継いでいる。だからこそ、汝と話したい」

 メーヴェを無視し、ガルヴェラが俺を見た。

「魔族は一枚岩ではない。魔王同士は互いに戦えないよう、魔王神に見張られているが――元魔王となれば、その限りではない。我を狙う魔族が現れるかもしれぬ」

「ガルヴェラを殺そうとたくらむ魔族がいる、ってことか?」

「左様」


 魔王が重々しくうなずいた。


「かつて人の世界を滅ぼそうとしたお前を、なぜ守らなければならない」

「侵略は我の意思ではない。なぜなら我は――いや、すべての魔王は魔王神の駒に過ぎないからだ」


 メーヴェの言葉にガルヴェラが言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!
執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
「攻撃されたら俺の勝ち!」悪役転生特典でスキルポイント9999を【カウンター】に極振り→あらゆる攻撃を跳ね返すチートスキルに超進化したので、反射無双します。

冴えないおっさん、雑魚ジョブ【荷物持ち】からEXジョブ【上位存在】に覚醒して最強になる。神も魔王も俺には逆らえない。俺を追放した美少女勇者パーティも土下座して謝ってきた。




▼書籍版3巻(完結)発売中です!▼


kun1bs4io9gl0fk5dyr9uqnj48h_h3n_go_no_2mpy.jpg


▼コミック7巻(完結)発売中です!▼

lkqz359y6ui42nz4jeork9nrdknh_1dzk_go_np_2vpe.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ