表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

162/187

8 次のチェックポイントへ


「失敗……」

「彼を仲間に引き入れられなかっただろう? ただ、まだチェックポイントは二つあるから、そっちでがんばってほしい。結果次第で、君に新たな力を授けるかどうか、その内容をどうするかを決めるからね。わくわく」

「……絶対楽しんでますよね」

「もちろん。子孫と遊ぶのは楽しいね♪」


 ……完全に遊ばれている。




 ともあれ、俺たちは次のチェックポイントに向った。

 今回もジルが変身した竜に乗せてもらっている。


「なんなのよ、あいつ! 信じられない! 今は英霊たちで一致団結するときでしょう! っていうか、強いんなら、ガンガン前に出て戦えばいいのに。このあたしほどじゃないにしても、強いんだから。このあたしほどじゃないにしても」


 メーヴェはずっと怒っている。


「ふふ、主の力なら全英霊に強制して命令することも可能でしょ? さっきのルーファスも無理やり従えてしまえばよかったんじゃない?」


 ぼそりと言ったのは暗い雰囲気を持つ半裸の美少女――『千の呪殺ミルリ』だ。


「なんなら、あたしが【呪怨操作(ルビ:じゅおんそうさ)】の呪いをかけて主の操り人形みたいにしてあげるけど?」

「いや、それはいくらなんでも」

「じゃあ、主に従わないとジワジワと精神的肉体的苦痛が生じて、やがては死に至る【真綿(ルビ:まわた)の苦痛】の呪いを――」

「さっきから物騒すぎない!?」


 俺は思わずツッコミ交じりに叫んだ。


「……っていうか、いつから背後にいたんだ」

「ひ・み・つ? うふふふ」

「可愛いっぽく言ってるつもりかもしれないけど、怖いからな。いきなり背後に立つなよ……」


 俺はジト目になりつつ、


「確かに【全自動・英霊召喚】の術式で強制的に命令することはできる。正確には『命令に従わない英霊に苦痛を与える』術式だ。けど、それを使うつもりはない」


 俺はミルリを見つめた。


「俺は英霊たちに『力を借りたい』んだ。一方的に使役したいわけじゃないし、もしそうしたとしても、英霊は最大の力を発揮できないと思う」


 そう、俺のスタンスは初めて【全自動・英霊召喚】を身に付けたときから変わらない。


「俺の命令じゃなく自分の意志で動いてこそ、英霊は最大の力を発揮できるはず。だから今回も、あくまでも『説得』という方向性は崩さない」

「ま、主らしいよね」


 メーヴェが苦笑した。


「優しいというか、お人よしというか……そういうところ、好きだぞ?」

「な、なんだよ、そんなふうに言われると、ちょっと照れるな」


 俺は苦笑を返す。


 ――その後も俺たちはまっすぐに空を進んだ:


 ルーファスがいた場所からは一転して、岩山や砂漠といった場所が続いた。


 ときどき砂漠から巨大なワーム型のモンスターが出てきて襲い掛かってきたが、


「がうっ」


 ジルが軽く吠えると怖がって去っていった。さすがは竜だけあって、他のモンスターへのにらみが効くらしい。


 さらに進むと、前方に円形の巨大な闘技場が見えてきた。


 闘技場の壁には垂れ幕がかかっていて『第二チェックポイント』とある。


「あれが次の目的地だ」




 ジル竜から降り、闘技場に入ると、そこには十数人の英霊がいた。どうやら剣の試合をしているようだ。


 俺たちのいる場所は観客席にあたるらしかった。


 向かい側の観客席には数十人の英霊がいて、彼らの戦いを見つめている。


「今日こそお前を倒し、Sランク英霊の称号を手に入れる!」

「二言はないだろうな、ジュリエッタ! お前に勝てば『Sランク』の称号を譲ると!」

「絶対に、倒す!」

「そろいもそろって――威勢がいいねぇ」


 十人ほどの英霊に囲まれているのは、先ほど『ジュリエッタ』と呼ばれた一人の美女だ。


 赤く長い髪をたなびかせた凛々しい顔立ち。 二メートル近い長身に露出が多いビキニアーマー型の鎧をまとっている。


 両手には、それぞれ巨大な剣を携えていた。二刀流なんだろうけど、あんな重そうな大剣を片手で一本ずつ扱えるんだろうか。


「強い――」


 ゴルがつぶやいた。


「あの十人、全員がかなりの使い手だぜ。見たところAランクだが、Sに近いAってところだ」


 じゃあ、囲まれている方の女英霊に勝ち目はないのか、それとも――。


「おおおおおっ!」


 剣士たちが突進する。


 彼女――ジュリエッタは微動だにしなかった。


 次の瞬間、無数の閃光が走る。


「がはっ……」

「ぐあっ……」


 一瞬――だった。


 十人の剣士はいずれもその場に倒れ伏す。


「やっぱりジュリエッタは強い!」

「最高だ!」

「お姉さま、素敵!」


 観客席から一斉に歓声が上がった。


「なんだと……!? あの一瞬で357回もの剣閃を――」


 息をのんだのはゴルだ。


「大剣二本をそれぞれ片手で扱う技量もすさまじいけど、何よりも……とんでもない斬撃スピードだよ、あの女」


 レオンがうなる。


「剣速だけなら僕より上だ」


 正直、俺の目には何も見えなかった。たぶん、あの閃光は彼女が振るった剣の軌跡だったんだろう。


 ……というか、レオンやゴルはあれを目で捉えられるんだな。


 やっぱり、すごい――。

【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!
執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼新作です! こちらもよろしくです~!▼
「攻撃されたら俺の勝ち!」悪役転生特典でスキルポイント9999を【カウンター】に極振り→あらゆる攻撃を跳ね返すチートスキルに超進化したので、反射無双します。

冴えないおっさん、雑魚ジョブ【荷物持ち】からEXジョブ【上位存在】に覚醒して最強になる。神も魔王も俺には逆らえない。俺を追放した美少女勇者パーティも土下座して謝ってきた。




▼書籍版3巻(完結)発売中です!▼


kun1bs4io9gl0fk5dyr9uqnj48h_h3n_go_no_2mpy.jpg


▼コミック7巻(完結)発売中です!▼

lkqz359y6ui42nz4jeork9nrdknh_1dzk_go_np_2vpe.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ