7 判定
「と、とにかく、落ち着こう。みんなで攻撃したら、さすがにルーファスの【自動魔法】結界だけじゃなくて、彼本人まで巻きこんじゃうだろ」
「むむ……」
俺がなんとか彼女たちをとりなした。
それに――もしかしたら、奴の結界に反撃用の術式が仕込んでるかもしれない。そうなると攻撃した側が負傷することだってあり得る。
「へえ、優しいんだね。歴代の当主の中には英霊をただの道具とみなして、消耗品みたいに使いつぶそうとした者もいたけど――君は違うのかな?」
いつの間にかルーファスが『寝台』から降り、俺の背後に立っていた。
「当たり前だ。英霊は大切な仲間で、戦友だ」
俺は振り返って彼を見据える。
「へえ、仲間で戦友か。その響きはなかなかいいね」
ルーファスが微笑む。
「お前にもその『仲間で戦友』になってほしいんだ、ルーファス。世界は今、大変な」
「ふああ」
大事な話をしようとしたところで、彼のあくびにさえぎられてしまう。
本当に緊張感ないな……。
俺は苦笑してしまった。
「今日は眠いし、やっぱり寝るよ」
ルーファスは一瞬で寝台に戻っていた。
速い……。
「また今度ね。今日は楽しかったよ、フレイくん」
言うなり、ルーファスは眠りについた。
その姿が――寝台ごと消える。
「あっ……」
「別の空間に入りこみましたね」
ハーヴェルが言った。
「今は、彼に近づけないでしょう。アレクシア・リディアの結界とほとんど同質のものです……私にも、これほど精緻な結界は作れません」
「結界か……バーバラ辺りに聞いてもだめかな?」
『【全自動・英霊召喚】が発動しました』
俺が考えたのとほぼ同時にバーバラが召喚される。
「うーん……これはすごいんだわ。【空間変異】と【認識干渉】、【多重防御結界】……複数の術をかけ合わせて作られた見事な結界……! 時間をかければ解析して破る方法が分かるかもしれないけど、一朝一夕にはとても無理なんだわ」
とバーバラはルーファスが消えたあたりを見つめ、感嘆したように言った。
「じゃあ、現状でルーファスに近づく手段はないか……」
俺はため息をついた。
「チェックポイント1は失敗だね。次のチェックポイントへどうぞ」
先ほど同様、俺の心の中にアレクシアの声が響いた。
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