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11 楽園、到着

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挿絵(By みてみん)


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 移動のために『暁の竜人ジル』を呼び出し、彼女が変身した竜に乗って黒い穴の中に入る。

 内部は黒く澱んだ何かがうごめいていた。


「うわー、気持ち悪い……」


 ジルがつぶやく。


「お前、ここを通るのは初めてなのか?」

「うん、普段『楽園』に戻るときは転移魔法みたいなもので、一瞬で元の居住区まで送られるからね~」


 と、ジル。


「『楽園』ってどんな場所なんだ?」


 俺はジルにたずねた。


「前に行ったときは、すぐに気分が悪くなって、景色を見る余裕さえなかったんだ」

「『楽園』はいくつもの居住区に別れていて、区によって全然違うんだよね。だから主が、どこの居住区に行くのかにもよるよ」

「複数の居住区、か」

「海もあれば山もあるし、町もあれば荒野とか砂漠もある……バラエティに富んでいて面白いよ~」


 ジルが嬉しそうに語った。


「はは、ちょっとした旅行気分になってきたな」


 俺もつられて笑う。


 前回の経緯があって身構えていたんだけど、ジルの明るい口調のおかげで気分が少し楽になった。


 やがて通路の出口が見えてくる。

 その向こう側から淡い光がもれていた。


「はい、とうちゃーく」


 ジルが一気に向こう側まで飛んだ。


「『真実の楽園』に着いたんだな――」


 俺は眼下を見下ろす。


 一面の緑。

 美しい湖。

 遠くに連なる山脈。


 楽園と呼ばれるだけあって、美しい風景が広がっていた。


「大丈夫、主?」


 隣でメーヴェがたずねる。


「ああ、今のところ気分が悪くなったり、体力や魔力を消耗したりする感じはないな」


 街道の先に町が見える。


「まず、あそこに行って情報収集してみるか。進んでくれ、ジル」

「りょーかいっ」


 ジルが明るく答えて空を進む。


 がんっ!


 と、いくらも飛ばないうちに、ジルは何かにぶつかって止まった。


「どうした、ジル?」


「いたたた……ここ、なんか壁みたいなものがあるよ~」


 俺の問いに答えるジル。


 不審に思って前方に手を伸ばすと、確かに透明な壁のようなものがある。


「これじゃ前に進めない……もしかして結界か?」

「確かに結界だね……」


 メーヴェがうなった。


「普段はこんなのないんだけど――」

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