13 三つの決戦3
「他の場所の戦況を確認しましたか? いずれも我らと同等の猛者が守っています。容易には打ち破れませんよ」
ケンタウロス型の魔族ザインが会釈した。
「つーか、他所の戦況より俺たちに注目したらどうだ? ええ?」
岩石巨人の魔族ズィーラーがすごむ。
俺は奴らを見据えた。
第二ポイントの戦況は気になるが、やはりここはまず眼前の敵の対処を優先だ。
「ふん、偉そうに」
メーヴェが前に出た。
「まとめて吹っ飛ばしてやる」
「待ちなさい。お前は本調子ではないのでしょう、『至高の魔術師』」
進み出たのは、長い髪を赤と金のメッシュにした女だ。
毒々しいまでの化粧も相まって、派手な印象を与える美女である。
「あたしが一緒に戦うわ」
「誰、あんた」
「このあたしを知らないの? 『英霊の中の英霊にして美女の中の美女』とまで呼ばれたあたしを! さてはお前、モグリね!」
彼女は長い金と赤の髪を『ふぁさっ』とかき上げながら告げた。
ばりっ、ばりっ。
髪のあちこちから青いスパークが弾ける。
なんだ、あれは――?
「モグリとは何よ!」
「だって、あたしを知らないんでしょ?」
「し、知ってるわよ! ほら、あんたアレでしょ? あの、有名な戦士みたいな魔法使いみたいな英霊……」
……絶対知らないな、これは。
ちなみに俺は彼女のことを知っている。今から200年くらい前に活躍した女傑で、歴史の教科書で読んだことがあるからな。
ただ、俺から答えを言っても彼女は納得しないだろうから、いったん静観しておくか。
「ん、そういえば――」
メーヴェは何事かを考えている様子だった。
「帯電している金と赤の髪……どこかで聞いたような……」
「思い出したの!?」
彼女が身を乗り出す。
「うーん……うーん……聞いたことがあるような、ないような」
「あるでしょ! 絶対あるでしょ! 有名よ、あたし!」
彼女がさらに身を乗り出した。
「あー、ダメだ……思い出せない」
「なんでよ!? 諦めないでよ! もう一息だよ!」
必死でメーヴェを応援する彼女。
「大ヒント! あたしの二つ名は三文字よ!」
「三文字……」
「最初が雷! 次は鳴! 最後は……ええい、言っちゃうけど姫!」
「答え全部言ってないか?」
思わずツッコむ俺。
「つなげると雷鳴姫……うーん……」
メーヴェがぽんと拳を叩き、
「えーっと……? あ、うん、覚えてる覚えてる」
「覚えてないわね絶対」
たちまち彼女がジト目になった。
「そ、そんなことないし! 覚えてるし! ばっちりきっちり覚えてるし!」
「目が完全に泳いでるじゃない」
さらにジト目になる彼女。
「ま、いいわ。とにかく、お前一人じゃ心もとないし、このあたし――『雷鳴姫のエレクトラ』が一緒に戦うわ。光栄に思いなさい!」
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