5 魔獣退治を称賛される
魔獣二体を倒した俺たちは、来たときと同じく竜に乗って帰還した。
「すごいです、フレイ様!」
「さすがです、フレイ様!」
「魔獣を退治してくれて、ありがとう!」
「ありがとう、ありがとう!」
眼下から賞賛と感謝の声が沸き上がる。
沿道のあちこちに人の姿が見える。
彼らはいずれも俺たちに手を振っていた。
みんな、笑顔だ。
「アーシアでは今まで魔獣は退治できるような存在ではありませんでした。ただ恐れ、逃げることしかできない超常の相手――」
レミナが言った。
ちなみに彼女は俺の後ろに乗り、腰のところにギュッと手を回している。
体がかなり密着していて、正直少しドキドキした。
「それがフレイ様のおかげで変わったんです。魔獣は倒すことができる――倒して、平和を勝ち取ることができる、と」
「……そうか」
「フレイ様は私たちにひとつ、希望を与えてくれました。本当に感謝しています」
「やったのは英霊だし、俺は俺の仕事をこなしただけだよ」
照れながら返答する俺。
この国に来てから、持ち上げられっぱなしだ。
いや、キラルを追放されてから、か。
そして周囲の人たちはみんな温かい。
レミナやボルテック、キキはいずれも接しやすく、話していて気持ちがいい人たちだ。
大臣たちとも少し話したが、キラルのような尊大で嫌味な大臣は一人もいなかった。
アットホームな雰囲気とでもいおうか。
「――俺も感謝してるよ。この国で働けることを」
「えっ」
「あ、王宮が見えてきたぞ。戻ろう」
内務大臣に今回のことを報告すると、俺たちは執務室に戻った。
ボルテックやキキも交え、会議の続きだ。
「この国全体を覆うような対魔獣結界を作りたいんだ」
俺はあらためてレミナたちに相談した。
「……と、その前に俺の力をレミナたちに説明しておくよ」
「フレイ様の――力?」
彼女たち三人は同僚だ。
今後、一緒に仕事をしていくためにも俺の魔法の特性を知ってもらった方がいいだろう。
いちおう軽く説明はしてあるんだが、もう少し細かく教えておくべきだと思ったのだ。
そうすれば、彼女たちの方からより効率的な英霊の活用方法を提案してくれるかもしれない。
やっぱり俺一人の発想じゃ限界があるからな……。
俺は三人に【全自動・英霊召喚】について説明した。
「1000の英霊……フレイ様に、そんなお力が……!」
「大将って、すげえ家の出身だったんだな……」
「いいなー、あたしも英霊さん、ほしい」
驚くレミナとボルテック、気楽な感想をつぶやくキキ。
三者三様の反応だった。
「その英霊たちをフル稼働させて、結界を作りたい」
「こ、この国を丸ごと覆うような結界なんて――」
レミナはさらに驚いたようだ。
「結界作りができる英霊たちを各所に常駐させておいて、ひたすら結界を作ってもらうことにする」
俺は言った。
ただし――その間、他のトラブルで彼らの助力は得られない。
それに、英霊を使役するには、俺の魔力を消費する。
あまり多くの英霊を同時に、長期間の使役をすると、俺自身がどれくらい消耗するのかは未知数だった。
……キラルでは、そこまで英霊を活躍させることがなかったからな。
「とにかく、やれるだけやって……後は、残った英霊たちでなんとかするさ」






