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ブラックな職場の、ブラックな聖女による、ブラックな日記  作者: サモト


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P9 後始末は人任せ

12月17日


 くそったれがああああ!


 ルーリエが黒い聖母の討伐装備があることを漏らしやがった。

 指揮官はもう討伐ありきでしか話をしない。

 あれは万が一の事態に備えての物で、倒すための装備じゃないのに。


「すみません……そうだって知らなくて」


 しゅんとして謝るので、仕方ないかと思いかけたけど、


「ミリアさん、経験者だから大丈夫ですよね!」


 お ま え は 行 か ん の か い。


 分かるよ?

 討伐するなら、最年長のラナか私のどちらかが行くしかない。

 ラナはリーダー、私は副リーダー。

 リーダーを本拠地に残し、私が行くのは妥当。


 だけど、危険な仕事を生んだ張本人が責任ゼロの顔をしているのは気に入らない。


「……怒ってます? 私、間違ったこと言ってないですよね?」


 うるうる上目遣い。

 まるで私が悪者だ。

 人を煽る才能、天才的ダナ~。


 ラナに同行を命じられれば、


「えっ……でも私、鈍くさいって言われるので。足手まといになると思うんですけど……」


 とグズグズ。もう怒る気力すら尽きた。

 この子、今まで一度も責任を取ったことないんだろう。


 途中でテキトーにトラブル起こして撤退せざるを得なくするかと思ったけど……

 エルドが護衛についてくれることになった。


 ので、まあ、がんばってみることにする。


 エルドも大変そうだ。

 どうも昨日は、無能指揮官に「おまえの婚約者をどうにか説得しろ」と詰められていたらしい。

 他の聖騎士さんから聞いた。

 指揮官、お偉いさんのせがれなので、評価悪いと僻地に左遷されるそうな。


 ああっ、くそっ。

 あっちこっちの悪いところのしわ寄せが、全部私に来てるぞ、これ。

 ムカつく!


 そんなわけで、今、私は戦に備えてベッドの中でこそこそとジャーキーかじっている。

 ここ一番。精を付けねば。

 お供は獣の胆を漬けた酒。まっっっずい。でも効き目は抜群。気力がみなぎってきた。


 絶対、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。


 ……この殺意は黒い聖母へのものだから、

 いくら書いてもセーフ!

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