P2 『回復薬R202瓶色変更会議の開催可否検討会議』
12月2日
『回復薬R202瓶色変更会議の開催可否検討会議』に参加した。
瓶の色を茶色にするか緑色にするかの会議がこじれ、2年近くも揉めているため、上層部から「従来通り透明で良いのではないか」と疑問視する声が出て、こんな会議が催されることになったらしい。
つまり 『薬瓶は茶色、緑色、透明のどれがいいか話し合う会議』 というわけだ。
ややこしい言い方はやめれ。
個人的には、意外と有意義な時間だった。昼寝ができた。
一応、起きてからマジメに参加した。
瓶の色を変更することになったのは、R202は他より太陽光で劣化しやすいから、らしい。
でも、使用不可になるまでの期限を聞いて驚いた。
条件にもよるが約1年、だ。
1年。
R202(ゾンビ汁って通称をいったら、担当研究者にキーキー怒鳴られた。R001とかL52とか分かりにくいんだよ!)は在庫不足になることすらあるほど回転が速い品だ。
戦場などに送れば、数日で消える。
神殿内でも、長くて3ヶ月しか棚にいない。
1年も保存することなんて、まずないのでは?
そう聞いてみたら、この議題の発端が判明した。
王族が自室にあった古いR202を使用し、体調を崩した
↓
「2年で使えなくなるなんて!」とクレーム
↓
長期保存に耐えられるよう瓶の色を変える、という話に
……なんでそうなる?
この場合、大事なのは、古い薬を使わせないことだろうに。
「瓶に使用期限を書いておいたらどうですか?」
と提案したところ、会議は5分で終了した。
『回復薬R202瓶色変更会議』で7人の人員が割かれ、
『回復薬R202瓶色変更会議の開催可否検討会議』でさらに7人の人員が割かれた。
合計14人。
これに会議時間と開催回数を掛けると……あー、どれだけ時間がムダにされたか、考えたくない。
なにやってんだよ! ただへさえも人手不足だってのに!!!
これまで会議に出る同僚のフォローをさせられていた自分がものすごく空しい。
イライラする。
でも、あと少しの我慢だ。
もうすぐエルドと結婚して退職できる。
まさかこんなところで、同じ孤児院仲間と再会できるなんて。
虐められてばかりだったエルドが、聖騎士になっていたのには驚いた。
エルドの前だと、聖女らしさを求められないので、とても気楽だ。一緒にいて楽しい。
*
日記、なかなかいい。書くとスッキリする、は本当だった。




