表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/187

プロローグ

 一週間後に夏休みを控えているとある昼下がり。

 テストは無事全員が補習なしとなり大喜び。

 これまでは、放課後にはちょっとした寄り道をしていたのだが、テストが終わるまでは控えていた。

 ちなみに、今は成績優秀な慶佑の家で勉強会を開いている。


「ぐあー! だめだー!! わからん!! てか、なんでテストが終わったのに勉強してるんだ!?」

「おい、ここはまだ簡単だぞ。いいか、この式はこっちの式を応用してだな」

「その応用がわかんねぇんだよ!? え? これをどう応用するんだ?」

「だからな」


 康太は、勉強自体が苦手だが、特に苦手な科目は数学と英語。

 俺も英語は得意ではない。

 なので、他の教科より念入りにやっている。


 補習がないと言っても、康太の結果は本当にギリギリだった。

 なので、それを聞いた慶佑が、このままではやばいと判断し、勉強会を開いたのだ。


「あーあ、なんで日本人の俺が英語の勉強をしなくちゃならないんだ……」


 一時間ほど勉強をして、今は小休憩中だ。

 

「仕方ないだろ。そういう決まりなんだから。第一、英語がわからないとお前の大好きなアニメの意味を理解することだってできないんだぞ?」

「そりゃー、そうだけど」


 アニメという言葉は英語。

 その他にも、様々な場所で英語は使われている。今は、当たり前のように英語が浸透しているのだ。

 

「お前らのところはまだ良い方だぞ? こっちの学校なんて」


 と、慶佑が自分が通っているところの話をしようとした時だった。

 こんこん、とドアをノックする音が部屋に響く。

 

「姉さんか? 入って良いぞ」


 もしかしたら、何か持ってきてくれたのかもしれない。

 勉強会を始めた時も飲み物や菓子を持ってきてくれたからな。

 

「ごめんなさい。優菜じゃないの」


 しかし、入ってきたのは優菜さんじゃなかった。

 

「あれ? セリルさん? 来ていたんですか」

「だ、誰だこの美人は!?」


 どうやら慶佑の知り合いのようだ。

 康太が叫んだ通りかなりの美人。

 明るいクリーム色の長い髪の毛に垂れ気味の青い瞳。

 頭には赤いカチューシャをしており、俺達ににっこりと笑顔を向けてくる。


「セリルさんだ。俺の姉さんと同じ女子大に通っている人だよ」

「初めまして。セリルって言います。お邪魔だったかしら?」

「いえ! 全然!!」


 完全に魅了されてるな康太は。

 無理もないか。

 本当に美人だからな。スタイルも良いし、声もなんだか聞いていて癒される。


「なんでセリルさんが? 姉さんは?」

「優菜は近くのコンビニに買い物に行ったの。すぐ戻ってくると思うわ」


 そう言って、新しい菓子をテーブルに置く。

 

「それより、お勉強は順調?」

「まあまあですね」


 清楚な美人。

 優菜さんとはまた違った雰囲気がある。優菜さんが可愛い系だとしたら、セリルさんは癒し系ってところか。

 

「……」

「おい、菓子落としたぞ」

「どうしたんだ?」


 もはや息をするように能力を使った。

 そして、知ってしまった。

 

「それじゃあ、私は失礼するわね。お勉強頑張ってね」

「うっす!!」


 聖女のような笑顔で去っていくセリルさん。

 再び男三人になったところで、康太が興奮した様子で喋り出す。


「おい、慶佑! セリルさんって彼氏とか居るのか!?」

「いきなりだな。いないよ。けど、見ての通り美人中の美人。ラブレターや告白なんかは数えきれないほど、だそうだ」

「それでいないってことは、その全てを断っているということか」

「祖父が神父をしているみたいで、セリルさんもよく教会に足を運んでるそうだぞ。そのことから聖女って言われてるみたいだ」


 まあ……うん。

 聖女、か。

 聖女ねぇ……。


「聖女様きたー!!」

「うるさいぞ、康太。……どうしたんだ? 零。さっきから黙って。康太の馬鹿さ加減に呆れてるのか?」

「なんだと!?」

「まさか。今更康太の馬鹿さ加減に呆れるなんてないない」

「だよな」

「お前らな!!」


 やっぱり、能力を使うと普段は知ることのないことを知ることができる。

 この世界だからこそ、なんだろうが。

 それにしても、まさかあんな美人さんがなぁ……。


『人は見かけによらないってことだね』

『お前が言うと説得力あるな』

『えっと、それはどういう意味?』

『そういう意味だよ』


 俺が見たのは、セリルさんがもう処女ではないということ。

 とはいえ、彼氏がいるわけじゃない。

 だったら誰とやったのか。

 体だけの関係を持った男が居る? そう思って詳しい内容を確かめたところ……言葉を失った。


 彼女は、あの見た目からは考えられないほど……複数の男とやっている。

 しかも、年齢層が考えられないぐらい広い。

 十歳にも満たない子供から七十歳超えのお年寄りまで。まあ、そこまで回数が多いわけではないのだが、俺が出会った【欲魔】以上だ。


 俺が最初出会った【欲魔】は十代から四十代。

 で、次に出会った【欲魔】は十代から二十代。

 なんていうか……見た時は【欲魔】か!? と思ったのだが、普通の人間だった。


 ……いや、普通じゃないか。

 性欲もそうだが。

 彼女の職業の欄に、こう表示されていた。


 聖女、と。


 まさかとは思うが……彼女絡みのイベントとか起こらない、よな?


『はいフラグ立ったー!!』


 いやいやいや、そんなそんな。

 さすがにないだろ。

 だって、あんな性欲モンスターと絡むイベントって。


『零。もうこの世界の……ううん。主人公としての運命を受け入れなさい』

『神様。立ったフラグをへし折ってくれませんか?』

『無理です』

 

 ……主人公って、大変だな。

 いや、本当に。

 頼むから、変なイベントだけは勘弁してほしい……!

 これから夏休みをエンジョイしようって時に!

そんなこんなで、新ヒロインは聖女様です。

うん……聖女様です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なるほど……性女様かw
[一言] 性女様ヒロインなの……?
[良い点] 70歳のおじいちゃんとヤルって...もう同人誌じゃん [一言] 俺ともヤってくれませんかね? 何とは言いませんが
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ