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第二話 明かされる真実と深まる謎

「昨日の天気が嘘みたいだな」


 まさかあの豪雨からここまで晴れるとは。

 気まぐれ過ぎるだろ、天気。

 とはいえ、道にはいくつもの名残がある。


 今日は、あおねが友達を紹介する日。

 昨日の天気予報の時点では五分五分だったが、晴れてよかった。

 友達……どんな子なのか。


「……」

「い、いつの間に」


 気づかなかった。

 一時、空を見上げながら歩いていた。

 時間にして、十秒ほどだと思う。

 その間に、隣に来たんだろうか。昨日、からあげを上げた謎の少女がいつの間にか俺の隣に居た。


「おはよう」

「お、おはよう」


 律儀に挨拶をしてくる。

 そして、とあるものを差し出してきた。


「これって」

「昨日のお礼。美味しかったから、お兄さんにも食べてほしくて」


 少女が渡してきたのは、昨日渡した新作のからあげ。

 まさか、お礼をするためにこんな朝早くから。

 まあ、コンビニは二十四時間営業だから買えると言えば買えるんだが。


「ありがとう。えっと、君名前は?」

「……内緒」

「え?」

「でもすぐわかる。その時に教える。それまで秘密。ごめんね。では、さらば」

「あ、ちょっ」


 昨日のように、謎のままさっさと去っていく。

 しまった。また能力を使えなかった。

 すぐわかるか。

 

「おはようございます! パイセン!!」

「あおね?」


 さっきの少女が気になって、曲がっていった角を俺も曲がると、そこにはあおねが立っていた。

 

「どうしたんですか? 驚いた顔をしていますが」

「あ、いや。あおね、さっきこっちに猫耳フードを被った子が来なかったか?」

「あー、あの子ですか。そういえばさっきすれ違いましたね。なにかご用があったんですか?」


 すれ違ったって……まだ三十秒も経ってないんだが。

 それにこの辺りに身を隠せるような場所も。


「そういう、わけじゃないんだが」

「もしかしてナンパですか!?」

「違う! 断じて!!」

「ほんとーですかー?」


 違うと断言している俺に、疑っているのか、それともからかっているだけなのか。

 目を細め、俺の腹部を左右交互につついていくる。


「それよりも、あおねこそこんなところでなにしているんだ?」

「いつものお散歩ですよー」


 散歩って、この前もこんなことがあったが、あおねってどこに住んでるんだ?

 この近く、だとしたらわかるが。


「それよりも、今日は遅れないでくださいね。せっかくの良い天気なんですから。お友達を紹介したら、そのまま一緒に遊びましょう!」

「ああ。楽しみにしてる」

「では、あたしはこれにて。遅刻しないでくださいよー!」


 なんだか引っ掛かるな。


「……なんだこれ」


 さっきの少女、そしてあおね。

 なにかを感じた俺は、レベルアップした能力であおねを見た。

 そして、見えた情報は。



・・・・



「……」

「どったの? 今日はいつも以上に眉間しわしわだぜ?」


 今朝のことが影響して、今日はずっと考え事をしていた。

 まさかあおねにあんな秘密があったなんて。

 普通ならありえないことだが、この世界だからな……。


「悩み事?」

「まあ、はい。今日あおねが紹介するっていう友達ってどんな子なのかなと」

「確かになぁ。俺も、実はずっと妄想していたんだ。あのあおねちゃんの友達なんだ。絶対キャラがたってる子だと思うんだ!!」


 俺の頭に浮かぶのは、やはりあの猫耳フードの子。

 もし、あの子があおねが紹介する友達だったら……。


「お? 見ろよ。もうあおねちゃんが来てるみたいだぞ」


 集合場所は、俺とあおねが出会ったクレープ屋近くの広場。

 そのベンチに、あおねと……もう一人。

 

「あの子がお友達ですかね?」


 俺達が近づくと、あおねともう一人は気づいたようで手を振る。


「皆さん来ましたね。さあ、さっそくですが。ご紹介します!」


 と、あおねが紹介したのは。


「この子が、あたしのお友達であり同級生の樹戸きどここねちゃんです!!」

「ども」


 やはり、あの猫耳フードの子だった。


「ここねちゃんかぁ。よろしくね! 私は出暮みや!!」

「うん」


 左にあおね。

 右にみやが抱きついているが、嫌がることなく完全に受け入れている。みやは、さすがだ。


「俺は、康太だ! よろしくな、ここねちゃん!」

「よろしく」

「そうだ。駄菓子あるぜ。食べるか?」


 お近づきの印というわけか。康太は、カバンから棒状の駄菓子を渡す。


「僕は、白峰涼。い、一応この中だと一番年上だけど。あまり気にしなくてもいいから」

「わかった」


 俺以外との自己紹介が順当に終わり、ここねは俺の方に視線を送る。


「というわけで、名前は樹戸ここね。よろしくね、からあげのお兄さん」

「からあげ? 何のことかね? 幼馴染よ」


 ここねに抱きついたまま、みやは俺のことを見る。

 康太も白峰先輩も同様に、どういうことだ? と視線を送ってくる。

 まあ、そうなるよな。


「実は、もう会ってたんだ。その時、コンビニのからあげをあげたんだよ」

「なんだよ、もう会ってたのか」

「もう、せっかちなんですから、ここねは」


 それにしても、何のために俺に近づいたのか。

 俺の人柄を確かめるため、なのかもしれないが、それだけじゃないような気がする。

 

「とまあ、自己紹介も済んだことですので。まずは、皆でクレープを食べましょう!」


 その証拠に、ここねを能力で見たところ、あおねと共通するものがあった。

 レベルアップしたことにより、見えるようになったもの。

 

(……忍者、か)


 本来俺達と同じように二人には学生と表示されるはずのところに、ありえないものが表示されていたのだ。


「というか、あおね。今朝は嘘ついていただろ」

「えへへ。ごめんなさいです。いやぁ、困ったものですよここねの暴走にも。興味を示したら、とことん調べ尽くそうとする子ですからねぇ。ちゃんと紹介するからって言ったんですけど」


 興味を示したら、ところん調べ尽くす……。


「お前、いったいここねになんて言ったんだ?」

「え? 零先輩っていう運命の人が居ると」

「運命の人!? な、なんだそれは。どういう意味なんだ!?」

 

 あーあ、別の奴が興味を示してしまった。

 なるほどな。

 全ては、あおねの意味深な紹介でってことか。


「それは……わしも気になりますな」


 そして、みやまでも。


「ぼ、僕も気になる、かな」


 白峰先輩まで。


「あのな。運命の人って言っても別に」


 その後、誤解を解くのが大変だった。

 クレープを買った後も、やはり二人の関係は怪しいだの、実は隠れて付き合っているんじゃないかだのと。

 あおねも、俺をからかっているのか。意味深な反応をしてかき乱すので、呑気にクレープを食べる暇もなかった。

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[一言] あおねちゃんかきみだすの好きよな
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