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プロローグ

「うぅ……寒いぃ……十一月になってますます肌寒くなってきたねぇ」


 とある平日の夕刻。

 キュアレはいつも以上にこたつで丸くなっていた。

 完全にこたつを背負っているカタツムリ。

 周囲には、堕落の証拠として菓子の袋の残骸や漫画、ゲームなどが散らかっている。

 俺は、ため息交じりに鞄を置き、散らかったものを片付けていく。


「お前、ますます堕落してきたな」

「ぐふふ……頼れる主夫さんが居るのでー」


 いつから俺は主夫になったのか。

 まあ、なんだかんだ文句を言いつつ料理をしたり、部屋の片づけをしているから強くは言えないんだが。


「あ、そういえばさっき管理人さんに頼まれごとをされちゃったんだけどさー」

「頼まれごと?」


 単行本を綺麗に揃え終えた俺は、首を傾げる。


「そうそう。なんだかいつもやってることを突然用事ができたとかで、代わりにやってくれないかーって。ほら、そこに宅配物あるでしょ?」


 キュアレが指を方向には無造作に置かれている宅配物があった。

 

「これをどうするんだ?」


 と、宅配物を手にする。

 

「上の階に住んでる人のところに持って行ってだって」


 上に階……セリルさん、じゃないよな。

 宛名が違う。

 えっと、エミーナ・ロサフィーさん? 


「もしかして、このアパートの住人一号さん?」

「そーみたい」


 確かに宅配物は管理人が預かることがあるけど。

 いつもっていうのが引っかかるな。


「その人ってなんだか気難しい人みたいで。そう簡単には他人と関わらないそうなんだよね」


 それって気難しいっていうのか?


「でも、管理人さんとは多少は仲がいいみたいだから。いつも宅配物を管理人さんが受け取ってから本人に届けるみたいなんだよねぇ」


 だが、今回はかなみさんが突然の用事でやることができなくなった。

 代わりにキュアレに頼んだ、と。


「……人選ミスだろ」


 ここに住み着いて半年。

 一歩も外に出ていない引きこもり神だぞ? セリルさんはどうやら大学に行っているみたいだし。エルさんは、屋敷の方でメイドさん達と特訓中。

 

「だから私じゃなくて、零にってことだよ。置手紙あるでしょ?」


 と、こたつに置いてあった一枚の用紙を手にする。


「よろしくな、少年……」


 まあ、今の状況だと俺しかいないよな。

 この際だ。

 いい加減挨拶をするか。

 本当は引っ越してきた時に挨拶をするつもりだったのだが、一人暮らしの準備などに手間取ってなかなかできず。

 しかも、すぐにキュアレが現れたから……。


「一番の住居人か……どんな人なんだろうな」


 俺は、着替えずに宅配物を手に上の階の端っこへと向かう。

 そして、すぐにインターホンを鳴らす。

 どんな人なんだろうと想像しながら待つこと数秒。

 ばたばたとこちらへ近づいてくる足音が聞こえた。


「は、はーい。今行きますぅ」


 名前から女の人だとは予想できていたが、なんていうかおどおどした感じの声音だ。

 気難しい、と言っていたがこれは。


「お待たせ、しました。えっと、いつもすみません。管理人……さ、ん……?」


 玄関のドアが開き、声の主が姿を現す。

 まず目に入るのは、綺麗な黒髪。

 若干ぼざぼざしているが、これは寝起き、だからか? 結構長く、軽く尻部分まであるだろう。

 前髪も長く右目が隠れている。

 左だけ見えている瞳の色は血のように真っ赤で、目元には小さなほくろが。


 そして視線を落とすと、黒い大きめのパーカーを着ており、服の上からでもわかるほど主張の強い膨らみ。そして下は……何も履いていない。

 そのためか白いものがちらっと……。

 

「あ、えっと」


 まずい、と視線を俺は上に戻す。

 あまり人のことをじろじろ見るのは失礼だ。


『能力向上のために日頃からじろじろ観察してるくせにー』

『うるさい』


 どこぞ堕落神にちゃちゃと入れられたが、俺はその場で固まっているエミーナさんに宅配物を差し出す。


「すみません。かなみさんは、今日突然の用事で来られないみたいで。あ、俺。下の階に住んでる明日部零って言います。これ、代わりに渡してくれって」

「……」


 あ、あれ? 反応がない。

 なんだか俺のことを見て固まっているような……あ、なんか涙目に!?


「だ、大丈夫、ですか?」

「ひ」

「ひ?」

「ひえー!?」


 漫画などでありそうな悲鳴を上げ、逃げるように奥へと消えていく。


「あ、あのちょっと!?」


 どうしたものかと俺はその場で悩み、とりあえず宅配物を玄関先に置く。


「荷物、ここに置いておきますね? それじゃあ、失礼します」


 なんだかカーテンを閉めて、電気も点けずに、部屋は薄暗い。

 テレビ、かパソコンの明かりのようなものが見えたが……。


「……対人恐怖症、なのか?」


 気難しいというよりも、そっちのほうがしっくりくる反応だった。

 

「あっ」


 なんとなく気になって振り返すと。


「ひうっ……」


 ドアを少し開き、俺のことを見ていたエミーナさんと視線が合う。

 しかし、すぐドアが閉まってしまい、なんだかなぁ……と思いつつ俺は去っていく。

新たなヒロインですが、今まで出てきたヒロインよりは少しインパクトというか、弱い? かもしれません。たぶん、おそらく……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 謎のパワーを持ってる二重人格幼馴染とかガチの忍者とか聖女とか中身おっさん身体はJS転生者とか今までな強過ぎただけなんや…
[一言] 今までが強すぎたんや…
[一言]  いや、新キャラも十分濃い‥‥  片目隠れパーカーオンリースタイルとは‥‥  狙 っ て や が る !
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