047 男子寮での出会い
3週間の短期通学ということだが授業には出れるし、食堂その他施設も自由に使える。
この3週間の学校生活が気にいったら来年受験してくださいという名目らしい。
働きながら通学も可能だし、儂にとって実りが大きいものであれば来年受験するのもありかもしれない。
その時はシャルーンを先輩として敬意を払わねばならぬだろう。
3週間寝泊まりする男子寮の中に入り、指定された部屋へ向かう。
同い年の男子生徒と共同生活か。
儂のまわりの同年代はなぜか異性ばかり集まっている気がする。
儂からすれば彼女らは皆、孫世代なので男も女も関係ないが、向こうはそう思っていないからな。
幼馴染と妹によく怒られたわい。でも20才にも満たない幼子なんてみんな同じ顔に見える時があるんじゃが。そんなこととても口には出せんがな
せっかくじゃ。同い年の同性の子がルームメイトとなるのであれば同性の触れ合い方を学んでいかねばな。
「この部屋で間違いないな」
軽くノックをする。
「失礼する」
扉を開け、部屋の中に入ると大きな部屋に二人分のベッドと二人分の勉強机が置かれていた。
さすが貴族も通う王立学園。部屋のスペックも想像以上じゃ。
そして椅子に座って、こちらを見ている男子の制服を着た若造。
「やぁ。男子寮へようこそ。君のことを待っていたよ」
それは非常に顔立ちの整った若造であった。
「僕はジュリオ。ジュリオ・ペスターレ。2週間だけにはなるけどキミのルームメイトだよ。キミの名前を教えてくれるかな?」
「う、うむ。儂はクロス・エルフィドじゃ」
ジュリオと名乗った若造は親しみやすい表情で出迎えてくれた。
好意的なのはありがたい。この生活は否応にもルームメイトに頼る形になるからな。
ただ一つ、気になることがある。やや長めの亜麻色の髪に華奢な体躯、顔立ちは非常にまとまっており、声色は高い。
それはまるで……。
「む?」
儂は一度外に出て、キョロキョロ周りを見渡した。
何人かの男子生徒の姿が見える。うん、間違いないないようだ。
率直に聞いてみることにした。
「なぜ女子がこの男子寮におるんじゃ……」
なぜって思っているとルームメイトのジュリオはため息をつく。
「はぁ……。よく間違われるんだよね」
ジュリオは柔らかな髪をかき上げる。
「僕は正真正銘の男だよ」
ジュリオはそう名乗った。儂に同性だと名乗ったのだ。
「昔から中性的な見た目だからよく言われるんだ。慣れっこだけどね。だから普通に男として見て欲しいかな」
もし儂が普通の15歳の男子だったらそれで納得したじゃろう。
何も気にせず、男相手だと思って話を進めたに違いない。
じゃが。
「いや、おぬしは女じゃろ」
儂は手を伸ばして、親しみ深く話すジュリオの胸をわしづかみにする。
かすかな弾力に予想が確信に変わる。
「にゃっ!?」
「サラシをしっかり巻いておるから分かりづらいが儂の目はごまかせんぞ」
「え……へ……?」
「おらっ、ちょっと胸元を開けんか」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってっ! 何するのっ!」
ジュリオをベッドに押し倒し、制服のボタンカッターをこじ開けて、解放させる。
「ちょっと待ってっ! やぁっ!」
「やはりサラシを巻いておったかぁ」
「きゃ、きゃああああああ! やだああぁぁぁっ!」
やはり胸があるな。体つきも丸みを帯びているし、間違いないな。
がははは、さすが儂じゃ。男と女の区別なんて簡単じゃあ。
「ぐすっ、いきなり何すんだよぉ……。あんまりだよぉ」
「あ」
ベッドの上で女の子っぽく泣きじゃくるジュリオを見て、儂はやらかしてしまったと気づく。
儂は頭を下げてジュリオに謝罪した。
「正直すまんかった」
「ひっく……出会って即女バレするなんて思うわけないだろう……ひっく」
まさかルームメイトが男性と偽って通学している女の子だったとは……。
これがジュリオ……ではなく、ジュリア・ペスターレとの出会いである。
フラグクラッシュその④ 女バレのフラグを速攻ぶった切る。
着替えシーンもお風呂シーンなど不要。
速効でこじ開けます。
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