042 結社壊滅編~おわり~
「――空間跳躍」
異界から現界へと戻ってくる。
この時空剣術を使ったのは久しぶりじゃな。
しかし時空剣術以外でこうやって異界へ移動できる術があるとは知らんかった。……まだまだ儂も知らぬことがたくさんあるな。
「天女帝と言っておったな」
まさかのあの女子ではなかろうな……。
儂はその考えを否定することにする。この現実世界におるはずがない。
しかしグロイツェルが所属している会社は大した技術を持っているようだ。この現実世界ではとても再現できない先進化された技術。
「まぁいい」
無限収納バッグからグロイツェルの顔が出てくる。
魔神アスタロトに殴られすぎて、グロイツェル顔面は腫れあがり、ボコボコになっていた。
バラバラになった骨とかはちゃんと繋げてやったし、命に別状はない。手を出してきたのは向こうなんじゃから問題ない。
「あ」
グロイツェルに会社名を書いてもらい、もう王都の運び屋は使いませんって一筆書かすの忘れてた。
はぁ……仕方ない。業務妨害ってことでこいつらを王国騎士団につきだすとしよう。
まぁこれだけ変なもの持ってるし、普通に軽犯罪で捕まるじゃろう。
不可思議な空間から艦船へ戻る。
怯える黒の構成員に指示して、王都近くの陸地に艦船を着陸させた。
儂は役員と役職三人をバッグに詰め込んだまま、王城の近くに行く。
「くそぉ。もう明け方じゃないか」
思った以上に長居をしてしまった。
これだけの時間拘束の費用は受け取ってないぞ。完全に赤字じゃな。
王国騎士団本部の受付はまだ開いていない時間だ。数時間待って引き渡すのは面倒くさかったので、縄で強く縛って王城の前で4人を放り出した。
誰もおらんがいいじゃろう。トイレ行きたかったので早々にここから出た。
全てが終わって王都の事務所に帰ってきたら……日はもう天に昇っていた。
「ただいま、戻りましたぞぉ」
「クロスきゅうううううううっっん!」
泣きべそかいた社長が儂を抱きしめてきた。
うん、何か生臭い。社長の服、外で干さないから生臭いんじゃよなぁ。
「全然帰ってこないし、心配したよぉぉぉぉっ!」
「トラブルに巻き込まれて大変だったんですじゃ」
「でも無事で帰ってきてくれてよかったぁぁぁぁぁぁ」
「泣き止んでください。朝ご飯にしましょう」
「うん、今日はオムレツがいい。お腹空いた」
「この状況で儂が作るんですか。まぁいいですが」
やはり社長の世話をせねばならんな。社長に作らせると3回に2回は失敗するからちょうどいい。
さっそくエプロンを付けて、調理を開始する。
「あ、クロスくん」
「うむ?」
「王国騎士団から通達が来たんだけど、結社サザンクロスっていう最大級に危険な犯罪組織が最近うろついているから届先が意味不明な運搬はしないようってさ」
「ほぉ~」
「クロスくんも十分気をつけてね」
結社サザンクロスか……。そんな組織が王国の中に入り込んでいるんじゃな。
「安心してくだされ。儂は安全第一なので危険な組織には一切関わりません。儂はただの運び屋ですから」
「ミャーー」
「ん? 猫の声かな。何か違うような気も……」
「ああ」
忘れておったわい。儂は無限収納バッグから黒いナニカをとり出した。
尻尾が三本ある四足歩行する小さいそれは社長に近づく。
「あら可愛い。猫ちゃんかな? クロスくんが拾ったの?」
「猫? そう見えますか。うむ、どうやらこやつが元々住んでおった所に飽きたらしく儂の元にいたいと言ってきたのですよ」
「へぇ、ウチは飲食店じゃないし飼ってもいいんじゃないかな。名前は何ていうの?」
「アスタロト」
「アスちゃんかぁ」
魔神アスタロトは異界にいるのに飽きて、ここ現実世界に猫の擬態を伴ってやってきた。
もちろんちゃんと躾けてあるので危険性はない。
「アスちゃんは何が好きなのかな」
「闇が好物らしいですぞ」
「やみかぁ。ん? やみってなんだ」
アスタロトは社長の太ももでゆっくり休む。
「すっごく、私に懐いてくれてるねぇ」
「社長の雰囲気を好んだようですな」
「きゃー照れるぅ」
アスタロトの邪眼がキラリと光る。
まぁ良いか。社長をお守りする役目を与えておくか。
儂がいない時に社長に何かあったら魔神アスタロトが全てを食らいつくすように指示しておこう。
よい、番猫になるじゃろう。
「朝飯を食べたら運び屋の仕事の開始じゃ!」
儂のごくごく一般的な日常はまだまだ続く。
次から2章となります。次はキャラも増え、ラブコメ含むワイワイガヤガヤがメインになるかも。
フラグクラッシュももちろんあり。
現時点で2章を書き終えてないのでかなり長いです。ゆっくりお楽しみください。
ただ10万字近くになり、ストックが危険なので2章からは毎日1話更新(12時)とさせて頂きます。
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1章が終わりましたので是非ともここまでの評価を頂けると嬉しいです。





