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14話 理由なんかどうだっていい。


 14話 理由なんかどうだっていい。


 『本気で思っていること』を駆使して、

 彼女たちの好感度を殺していくセン。


 ひたすらに、徹底的に、

 センは、彼女たちに嫌われるための全部を積んでいく。


 雑言を駆使する中で、センは思う。


(こいつらは俺のタイプじゃねぇ……なのに、ここまでして守ろうとしている理由はなんだ?)


 自分自身に問いかける。

 なぜ、自分は、ここまで出来る?


 紅院の顔と身体は間違いなくタイプなのだが、気が強すぎてしんどい。

 薬宮の優しさはプラスポイントだが同時にマイナスポイントでもある。

 黒木の知性はセクシーだと感じるが、おしゃべりなのはいただけない。

 茶柱にいたっては普通に中身の全部が終わりすぎていて草もはえない。


 理想とはかけ離れたバカ女どものために、

 えげつないほどの地獄を積み続けた理由。


 そんな疑問の最果てに、

 センは、一つの結論に至る。


(……理由なんかどうだっていい……)


 奥歯をかみしめて前を見る。

 自分の中心に刻まれた不条理に耐えながら、

 今日もセンは、合理に欠けた感情論と向き合う。


(ただ失いたくねぇ……嫌われようが、憎まれようが、恨まれようが……知ったこっちゃねぇ。こいつらを失う痛みと比べれば、その程度は、痛みですらねぇ)


 弱さをむき出しにして、

 脆さと向き合って、

 自分の奥にある大切なものと対話する。


 そうやって削りだした感情論の搾りカスで、

 センは、彼女たちと対峙する。


「俺はお前らが嫌いだ。美形と金持ち。両方、俺の神経を逆なでする。そもそも態度が気にいらねぇ。だから、いやがらせで、お前らが嫌がるであろう性奴隷役を任命しようと思った。が、そもそも論、お前らみたいな変態相手じゃ、たねぇ。本当に使えねぇ連中。性奴隷ていどの簡単なお仕事すらこなせない無能。自分の程度の低さを反省しろ」


 そのあまりに非道なもの言いに、

 黒木が、巧妙に不機嫌を隠して、


「……私たちでは、役者が不足しているというのは、よく分かりました。それで? 私たちは、何をすれば、あなたの助力をえられるのでしょうか?」


「そうだな……さっき言った、俺の好みの女を連れてきてもらおうか。お前らほどの顔の広さがあれば、見繕う事も難しくねぇだろ?」


「ええ。もちろん。上流階級の中では、清楚な大和撫子タイプは少なくありません。その中の最高峰の女性を、あなたの伴侶として、あてがわせていただきます」


「伴侶なんかいらん。いつでもヤレる都合のいい女以外は不要。結婚なんて冗談じゃねぇ。俺は責任という言葉が、この世で一番嫌いなんだ」


「……」


「どうした、黒木。顔がこわばっているぞ。何かいいことでもあったのかい?」


 そんなセンの煽りに対し、

 彼女は、一度、深呼吸をはさんでから、


「……あなたの要求を叶えるために、上と話をつけてきますので、少しだけお時間をいただいてもよろしいですか?」


「ああ。けど、あまり時間をかけすぎるのはよろしくないな。俺は待たされるのが嫌いだ。軽んじられている気がしてイラつく。俺のことは、常に、最上位VIPとして扱うよう心掛けろ」


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