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53話 片手間のオメガバスティオン。


 53話 片手間のオメガバスティオン。


「……見えたっ……消えろぉおおおおっ!!」


 異次元砲が直撃する寸前で、

 ロイガーの照射の根源点に向けて、

 手刀を突き刺し、グルンと手首を回転させると、


 ――ピチョンッ……ッ!!


 と、美しい魔力の相殺が起きた。

 すべてが一致した瞬間。


 コスモゾーンの法則が否定された瞬間と言ってもいい。

 『全宇宙空間中を漂っている、たった一枚の五円玉を見つけ出す』

 みたいなシーンを想像をしてもらえれば、

 もしかしたら、現状が、多少は理解してもらえるかもしれない。


 色々と言葉を並べ立てたが、

 とにもかくにも、

 ロイガーの異次元砲は、

 水面が水滴を弾くような音をたてて、消え去った。


 その光景を目の当たりにしたロイガーは、

 唖然として、



「……な、なにを……なにをした? ……まさか……オメガバスティオン……?」



 困惑しているロイガーをシカトして、

 トウシは、そのまま、自分の奥へと没頭し続ける。


 異次元砲を片手一本でかき消す、

 という、とんでもないことをしていながら、

 しかし、『そんなことはどうでもいい』とばかりに、

 トウシは、深く、深く、深く、自分の奥へと入っていく。


 その結果、

 トウシの狂気的な頭脳は、


「……あった……っ」


 ついに、可能性を発見した。

 自分の中に眠る覚醒情報。

 暗号化されていて、容易に踏み込むことができないが、


(たいした暗号やない……この程度なら……)


 即座に、解析ソフトの開発に着手。

 時間がないので、あくまでも、補助程度に。

 あとは、自力の暗算で、ガードをブチ殺す算段。


 光明を見出したトウシと違い、

 ロイガーは、いまだに困惑していた。


 いまだにとは言っても、先ほどの一件から、

 まだ、数秒しか経っていないわけだが。


「こたえろ! 田中トウシ! 今、何をした?!」


 そんなロイガーの質問に答えているヒマなどない。

 トウシは、今、非常に忙しいのだ。


(あと少し……もう少し……っ)


 タラっと、鼻血が出てきた。

 脳の沸騰がとどまるところを知らない。

 爆発しそうになるほどパンパンになる頭。


 その結果、


「……開いた……これが……ワシの……可能性……」


 トウシは、暗号化された自身の覚醒情報を、

 ついに、自力でこじあけてしまった。



「ワシの名は、タナカ・イス・トウシ……」



 ありえないほどの偉業。

 他の誰にも不可能な諸行。


 最後の最後、

 扉の奥に、もう一つ、カギがかけられていた。

 しかし、トウシは、その鍵の開け方を知っている。




「……ヒーロー見参……」




 その宣言は、決して、ただの虚勢じゃない。


 『彼』以外の誰にもマネすることはできない、

 そのゲージを貫いた強大なギフトが、

 世界の芯を震わせて、

 そのまま、『莫大な可能性』となり、

 『彼』のコアオーラに注ぎ込まれる。


 それは、『劇的なキッカケ』となり、

 田中トウシという、『不完全な器』を、

 一つの『境地』へと導く。



 不可能と向き合い続けた器に、

 命の光が注がれていく。

 まさに、それは、人類の希望。

 その具現。


 人間という種の限界を大幅に超えた領域の向こう側で、

 ありえないほどの演運に没頭し続けた結果、

 田中トウシは、自力で、己の中に眠る可能性を見つけだした。


 本当のスペックの顕現!

 田中トウシのコアオーラに革新が起こるっ!!


 『世界』が!

 『田中トウシは、間違いなく、タナカ・イス・トウシである』と認めた!!


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