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5話 深みのあるクレイジーの交錯。


 5話 深みのあるクレイジーの交錯。


「瞬間移動は、どこでマスターしたんでちゅか? やっぱり、ヤードラ〇ト星人に教えてもらったんでちゅか?」


「……瞬間移動なんて使えませんよ。単なる、あなたの見間違いです」


 正式に、否定の言葉を並べた上で、

 センは、


「つぅか、赤ちゃん扱いやめてくれません? 死ぬほど腹立つんで」


 ガチの拒絶を口にする。


 赤ちゃん言葉は、赤ちゃんが使う言葉ではない。

 赤ちゃんに対して使う言葉。


「あんたの方が学年上なのは分かるけど、だからって、多感な時期の男子高校生を赤子扱いとか、正気の沙汰じゃない。俺はプライドが異常に高いから、そういう、ナメた扱いを受けると、ゴリゴリにキレ散らかしてしまうんすよ。俺のナックルパンチが火を噴く前に、ぜひ、態度をあらためてもらいたい」


「瞬間移動のほかには、何が使えるんでちゅか? 『かめ〇め波』は撃てまちゅか?」


「……すごいな、あんた。そこまでかたくなに、人の話を聞かないスタイルを貫くとは……その玄人感あふれるクレイジーっぷり、心底おそれいる」


「あ、オイちゃんとしたことが、自己紹介がまだでちたね。オイちゃんは、この世界の女神、酒神終理でちゅ」


 恥も外聞もなく全力で女神を名乗るという、

 追加のクレイジーをいただいたセンは、

 『やれやれ』という、しんどさ全開の顔をしつつも、

 しかし、ここで、彼女のイカれ方に屈するのは、

 持前の奇妙なプライドが許さなかったため、


「……センエースです。こんにちは」


 真正面からブチ当たっていくインファイトで応戦。

 はたから見ている分には、どちらも、たいがいクレイジーである。


「せんえーす……え、どういう字でちゅか?」


「閃くに壱番と書いて、当て字でセンエースです」


「うわぁ、キラキラ厨二でちゅか、ドン引きぃ」


「俺は、女神を自称するあんたにドン引いてますけどね」


「女神が女神を名乗って、何が悪いというんでちゅか? この美貌! この英知! 完全に女神! 女神の中の女神! そうでちょう?」


「……そうですね……」


 ダルくなったセンは、彼女から、

 物理的にも精神的にも距離をとるべく、

 適当に相槌を打って、


「じゃあ、俺はこれで」


 そう言いながら逃げようとする。

 が、しかし、


「おっと、まだ、瞬間移動を教えてくれるという約束が果たされていまちぇんよ、ゴハンくん」


「……そんな約束は誰もしてねぇ。あと、ゴハンくんがビーデルさんに教えたのは舞空術であって、瞬間移動じゃねぇ。――最後に、一応、正式に言っておくが、俺は瞬間移動も舞空術も使えねぇ。俺は、どこにでもいる普通の男子高校生でしかないからな」


「どこにでもいる普通の男子高校生は、そんな、神様みたいな目はしていないと思うんでちゅけどねぇ」


「神様みたいな目? なに、それ? 俺は、基本的に、眠そうな目しかしていないが」


「隠しても無駄でちゅよ。オイちゃんの目はごまかせまちぇん。あんたは、この世界の神でちゅね?」


「女神を自称するなら『相方の神様』を見間違えないでもらえます? 俺は、ご覧の通りの、単なる一般人ですよ」


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