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62話 繰り返す。


 62話 繰り返す。


「俺なんて、所詮は、格ゲーと公務員と寿司職人見習いをやっていただけの凡人だから」


「こいつ、本気でそう思っているフシがあるところが、何よりヤベぇな」


「バックボーンがどうあれ、元主人公たちの中で、戦闘力最強は、間違いなく、ユーだぞ♪」


「つぅか、その気になれば、何十体って単位で、強大なアバターラを呼べるって聞いたんだけどマジ?」


「アバターラっていうか、弟子ね。俺がキャラクリした8人に匹敵するのが3人、その半分ぐらいの実力を持つのが20人、その半分ぐらいの実力を持っているのが5000人だね。なんか知らないけど、全員、呼べるんだよねぇ。ちなみに、システムの扱いとしては、ソウルレリーフとかいうやつになっているらしいけど、ぶっちゃけ、その辺はよくわかんないねぇ。あの『混沌とやら』が色々と教えてくれたけど、俺、頭わるいから、結局、理解しきれなかった」


「何十どころか、何千かよ……」


「5000は、多いねっ♪」


「いやぁ、どうやら俺、育成が大好きみたいで、ついつい、たくさん育てちゃったんだよねぇ、ははは」


「そこにいる『燕尾服のイケメン』の4分の1の実力者5000人を召喚できるスキルか……エグすぎるな。軍団系のスキルは俺も持っているが、お前とやりあったら、圧殺されるんだろうな……」


「いや、だから、そんなことないって。俺、根性無いから――」






 ★






 ――繰り返して、繰り返して、繰り返して、繰り返していく中で、

 センは、どんどん壊れていったが、しかし、

 その分だけ強くなっていった。


 まるで、骨折のように、

 治ると、折れる前よりも、強度が増している。


 繰り返すごとに、磨かれていく。

 研ぎ澄まされていく。


 難易度爆上げスイッチを押す前の段階から、

 すでに、相当な強さを誇っていたセンだったが、

 2000回目のループを終えた時点でのセンの実力は、

 当時のセンを置き去りにしていた。


「……俺は強くなった……」


 それは、間違いない話だった。

 しかし、


「これでも……まだ勝てないのか……」


 そうつぶやいたセンの言葉に、

 図虚空の中にいるヨグシャドーが答える。


「勝てない。絶対に」


 ゆるぎない言葉を受けて、

 センは目を閉じた。



「地獄の一週間を……全部で2000回も繰り返したのに……何十年も……頑張ってきたのに……まだ……まったく足りないのか……」



「そうだ。まったく足りていない。話にならない」



「……」



「どうだ? 私は遠いだろう?」



 ふいに、そんな言葉を投げかけてきたヨグに、

 センは、


「ああ」


 力ない返事。

 言葉がよろめく。

 体もフラつく。


 それでも、


「……しんどいなぁ……」


 そう言いながらも、

 センはスマホを取り出した。


 そして、黒木に電話をかける。


「お前が小三の時に書いていた自作小説の主人公の名前は――」



 ひたすらに繰り返す。

 心を押し殺して、

 見えない明日に向かって歩き出す。


 どんどん強くなる神話生物と死闘を演じて、

 見飽きたイベントを消化して、

 銀の鍵を探して、



 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。

 繰り返す。



「……あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!」


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