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10話 裏閃流究極秘奥義『タ※※※イリ』!!


 10話 裏閃流究極秘奥義『タ※※※イリ』!!


 『逃げたい』という本音と、

 『逃げちゃダメだ』という強がりが、

 頭の奥で、互角の殴り合いを続けている。


 暗闇の中で手探り。

 意識と心が乖離して、

 命の全部が不明瞭になる。


 そんな中で、センは、


(……ああ、もう……)


 考えるのがイヤになって、

 ついには、一端、思考を放棄して、


「……失礼」


 トコのとなりにチョコンと腰を落とすセン。

 大っぴらに足を広げたりは出来ない。


 借りてきた猫――ほどではないが、

 しかし、ハッキリとした肩身の狭さを感じつつ、

 センは、ソファーの感触を確かめる。


(どうせ、これも高ぇんだろうなぁ、無駄に。いくらぐらいだろうなぁ。億とか超えていくのかなぁ)


 などと、現実逃避の無意味思考に逃げているセン。

 そんな、普通に無様なヒーローに、

 トコが、


「……あのな、セン……」


 おもむろに、


「まだ、曖昧というか……」


 しなやかな唐突さで、


「まったく、ハッキリせんのやけど……」


 ボソボソと、しかし、覚悟だけは決まっていそうな声で、 


「呪いの一件だけやなく、おそらく、あたしは、もっと、あんたに助けられてきた……マナミから話を聞いたから推測できるとか、そういう話やなくて……話を聞く前から、おぼろげに、あたしは、『あんたに救われ続けてきたこと』を憶えとる……いや、憶えとるというのとは、またちょっと違って、けど、デジャブともまた違うというか、そうは言いたくないというか……」


 うまくまとめられないことにイラ立ちながらも、

 しかし、それも当然だろうと、どこかで開き直っている部分もある。


 それが、今のトコの心情。


 自分自身を理解することの難しさを改めて理解する。

 しかし、同時に、

 『単純でなくてよかった』という、

 謎の幸福感も感じていたりする。


 心の機構が複雑だったからこそ、

 『今の気持ち』を胸に抱くことができた。


 この面倒くさい『想い』を、もちろん、鬱陶しいと思っている。

 けど、やはり、どうしても、感情の最後の最後では、

 『絶対に捨ててしまいたくはない』という帰結に到る。


 いつだって複雑怪奇。

 何もかもが面倒で厄介。


 ――『それ』が『人間なのだろう』と、

 トコは、真理にも似た何かを理解した。


 その理解は、

 トコだけの『特別』ではなくて、

 ここにいる美少女たちの胸に、

 例外なく刻まれているものだった。


 美少女たちは、

 濡れた目で、センを見つめている。


 新婚初夜の期待を、まっすぐに向けられたセン。




「……」



 センは無言で、彼女たちの視線を受け止める。

 当然、受け止めきれてはいない。

 基本的には、ただ、串刺しにされているだけ。




 ――『センエース』とは、

 『勇気の化身』と言ってもいい、

 『諦めることを諦めたヒーロー』である。




 そんな彼が、『自分に対してまっすぐに向けられている彼女たちの想い』に対して、どういう結論を出したか。


 決まっている。




「……かー……こー……すやぁ……zzz」




 狸寝入りである!


 おそろしくはやい睡眠導入。

 どこの誰であろうと、確定で見逃してしまうであろう、光速の爆睡劇!!


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