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50話 センは、いつだって、心の中にいる。


 50話 センは、いつだって、心の中にいる。


 たんたんと、命令を下すセン。

 『完全お仕事モード』に入っている時のセンは、 

 相手の『些細な機微』に配慮したりはしない。


 ただただ、純粋に、無垢に、愚直に、

 最善と信じた合理を積み重ねていく。


 一般人なら、その迫力に気圧されてしまい、

 命令に対して、黙って従うのだが、

 けれど、しかし、ところがどっこい、


 ――彼女たちは一般人ではない。


「納得ができません」


 『理論派の黒木』を『交渉人の筆頭』にして、

 沸き上がる無数の『疑問』をセンにぶつける。


「あなたが、守ってくれたら、それでいいのでは?」


 という、直球の質問に対して、


「GOOはいつ襲ってくるか分からない。となれば、四六時中の監視が必要となる。だが、俺は男で、お前らは女。あとはわかるな?」


 と、核心部分をあえて濁す論法で、しなやかに逃げようとするセン。


 だが、


「納得ができません」


 黒木は引かない。

 黒木だけではなく、ヒロインズ全員で、センを睨みつけている。


 彼女たちは、態度と目と言葉と威圧感で、センに訴えかけている。


 基本、超ワガママでドストレートな彼女たちは、

 まっすぐに、自分の想いをぶつけてくる。


 ――『お前が、ずっと、側にいて、私たちを守らんかい』と。


 そんな彼女たちのメッセージに対し、

 センは、穏やかに微笑んで、



「安心しろ。俺は、いつだって、お前らの心の中にいる。ほら、目を閉じてごらん。まぶたの裏に俺がいるだろう? それがすべてさ」



 そう言いながら、目を閉じさせて、そのスキに逃げようとする姑息なセンに、

 茶柱が、


「このまま逃げたら、絶対的美少女ツミカさんは、そこの屋上から飛び降りるにゃ」


 サラっと、イカれたことを口にした。


 茶柱のイカれた自殺宣言を受けて、

 センは、茶柱をにらみつける。


 三秒ほど、彼女の目をジっと見つめると、



「……てめぇ、ガチでやる気だな……」



 センは、心底しんどうそうにそうつぶやく。


「土下座とかは冗談でも無理にゃ。けど……」


 そう言いながら、ツミカは、

 いつでも飛び降りることができるポジションにつくと、


「ツミカさんは、携帯ドラゴンのシステムをハックして、無駄な制御装置系を解除しているから、自由に死ぬことも可能にゃ。さあ、センセー。決断の時にゃ。ツミカさんを殺すか、それとも、ツミカさんの性奴隷として死ぬまでコキ使われるか!」


「そんなふざけた二択を迫ってくるようなバカ野郎は、むしろ、この手で抹殺しておくべきだと、俺なんかは思うなぁ」


 しんどそうな顔でそうつぶやくセンに、


「ツミカさんは誇り高いから、土下座はしないけど、誇り高いがゆえに、ナメられるぐらいなら死を選ぶということも十分にありえる。長年の付き合いだから、そのぐらいは分かるはずにゃ!」


「……お前の視点だと、俺たちは、まともに、知り合ってから数時間程度の関係性のはずなんですが?」


「ウスバカゲロウの寿命を知っているかにゃ?」


「……急になんだよ」


「三時間と言われているにゃ」


「ああ、なんか聞いたことあるな。で?」


「ウスバカゲロウの寿命でモノを見た場合、数時間というのは一生に等しいにゃ。つまり、センセーとツミカさんは、すでに、一生分の付き合いを経たと言っても過言ではないのにゃ」


「……ん、まあ、過言だね。清々しいほどに過言。ここまでシッカリとした過言はそうそうないってレベルの過言だね」


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