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36話 イカれた勇気を。


 36話 イカれた勇気を。


「さぁてと……そんじゃ、まあ……3本目、いってみようか……」


 などと言いながら、

 センは両手を広げてみせた。


 その背中に対して、

 トコが、


「お、おかしいやろ!」


 我慢できなくなったように、

 大声で叫んだ。


「ど、どういうこと?! 1000本目にたえても、普通に1001本目を撃つって言われてんねんで?! というか、2本で満身創痍やのに、1000本も耐えられるわけないやん! てか、そもそも、耐えても意味ないねんて! え? わからん?! その辺の理解が、なんで、できんの?! もしかして、あんたの知能指数、17ぐらいなんちゃう?! いや、ほんま、まじで、ジブン、どうしたん?! しっかりせぇ! 意味が分からんすぎて、ゲェ吐きそうなんやけど!!」


 頭を抱えて、渾身の不可解を叫ぶ彼女に、

 センは、


「好きなだけ吐いていろよ。今の俺に、てめぇの自律神経をおもんぱかっている余裕はない」


 そう言いながら、腹の下にグっと力をこめる。


「ちなみに、言っておくが、意味が分からな過ぎてゲロ吐きそうなのは、お前ひとりじゃない。俺を含めた、ここにいる全員がそうだ。もっと言えば、この中で、一番困惑しているのは、他でもない、俺自身だろう。マジで俺は、俺に聞きたい。『あなたはどうして、そんなにバカなの?』ってな。けど、聞いたところで、応えてくれねぇんだよ。『俺の心のヤバいやつ』は、なんか知らんが、黙って睨んでくるだけで、いっこうに答えてくれねぇ。おそらく、コミュ障なんだろう。サイコで、コミュ障で、童貞。終わってんな、マジで」


 意味のない言葉をダラダラと並べてから、


「だから、もう、気にするのをやめた。俺は俺を一生理解できねぇ。本当に終わってしまうその一瞬まで、俺は、永遠に、俺を諦め続ける。諦めて、逃げて、投げて、捨てて……けど……そのかわり……」


 ググっと奥歯をかみしめる。




「その分だけ……イカれた勇気を叫んでみせる」



 さらなる覚悟を示してみせたセンに、

 ヨグシャドーは、


「いい覚悟だ。貴様の核に触れたことで、私の深部が高揚している。コアが震えている。これから、その覚悟に見合うだけの一撃を放とう。受け止めるがいい」


 そういうと、

 両手にオーラと魔力をギュンギュンに溜めていく。


 それを見たセンは、


「死ぬなぁ……ソレを受けたら……絶対に死ぬ……間違いない」


 秒で理解。

 確信が膨らんでいく。


 ありえないほどのエネルギー量。

 今のセンに理解できる範疇ではない。


「つぅか、ソレを防がなければ……俺だけじゃなく、世界もろとも全部が終わるな……ったく、勘弁してほしいぜ」


 ため息交じりにそうつぶやいてから、

 センは、全身に力をこめる。


「第二アルファのアレコレと違って、これは夢じゃねぇ……理解したよ。まあ、実際のところ、『第二アルファ』も夢じゃねぇんだろうけど……これは、そういう意味じゃなく……今の俺に直結したリアルだから……『パチンと指を鳴らせば一旦はリセットされる』とか、そういうたぐいの話じゃないってことは重々理解できた」


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