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3話 無意味な対話。


 3話 無意味な対話。


「……最近思うんだが……お前、だんだん、壊れてきていないか?」


「壊れてきたんじゃなく、無駄に『ヒーローぶる』のをやめて、『素』を出しているだけだねぇ」


「……ファントムトークは、お前の素を隠すための仮面じゃなかったのか?」


「ファントムトークという仮面の下にある『素だと思っていたもの』も、結局のところは『脆くて歪な仮面』にすぎなかったという、悲しいお話だねぇ。『仮面のマトリョーシカ』の下に何があるのか、それを知りたければ、俺が開設している月額千円のオンラインサロンに入ってもらわないといけないんだけど、どうする?」


「どうするもクソもあるか。俺は、自分が『非常識な大馬鹿野郎であること』を自覚しているが、しかし、だからって、シリアルサイコのオンラインサロンに加入するほどイカれちゃいない。色々あって、だいぶ壊れてしまったが、しかし、これでも、まだ『まともでありたい』という感情だけは消えちゃいないんだ」


「いま加入すれば、特別に、各種エロサイト見放題という特典がついてくるよ?」


「……また、ずいぶんと、えぐいオンラインサロンだな。完全に違法の向こう側じゃねぇか。かかわったやつ、全員、捕まる系のあれだろ」


「ご安心を、お客様。お客様の個人情報は全力で死守させていただきます。仮に、国家権力の犬畜生どもが無粋な圧力をかけてきても、私が誇る『英雄の剣翼』で、根こそぎ掃除してごらんにいれましょう」


「そんな大事なアイテムを、『違法エロサイトを死守するためのテロリズム』に使おうとするんじゃねぇ。『ヒーローにあるまじき愚行』の『最先端』かつ『最前線』を爆走するのはそこまでだ。あと、一応言っておくが、俺はエロサイト系を見ると吐いちまうから、その点は、俺に対する勧誘材料にはならねぇ!」


「またまた、ご冗談を、お客様」


「とりあえず、言いたいことは一つ。私を客扱いするのを、いますぐやめたまえ」


 異常なほど中身のない『無駄に洗練された無駄な会話』を繰り広げている間も、

 しかし、二人の視線が、

 モニターに映し出されている『変態センエース』から離れることはなかった。


 まるで、『センの動向を見届けるのが自身の宿命である』とでも言わんばかりの情熱と執念でもって、二人は、センの姿を、その『魂魄の全て』で追い続ける。






 ★






 ――アイテム探索の途中で、

 黒木が、


「……あ」


 と、意味深に、言葉をこぼした。


「どうした?」


 と尋ねると、黒木は、渋い顔で、


「いえ、あの、その……実は、えっと……」


「なんだよ、歯切れが悪いな」


「また、その……『奇妙な気配』を……キャッチしまして……その……たぶん、ダンジョンだと思うんですが……」


「ほう」


 センは、一言、つぶやいてから、


「つまり、また、異世界に飛ばされる可能性が出てきた……そういうわけか?」


「えっと、まあ、端的に言いますと、そうなりますね」


「……そいつは、また、ずいぶんとファンキーな展開だな」



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