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3話 俺はスーパーブルースだ。


 3話 俺はスーパーブルースだ。


「心配するな。もし、テロリストが攻め込んできたら、俺が2秒で殲滅してやるから」


「おいおい、ブルース・ウィ〇ス気取りかよ」


「アホか。ブ〇ース・ウィリスなら、事件解決まで『約2時間』必要だろ? 俺なら、2秒でいける。つまり、俺はスーパーブルースだ」


「……すごいな、スーパーブルース。尺が全然もたねぇよ。ちなみに、スーパーブルースは、具体的に何ができるヒーローなんだ?」


「いちいち説明するのも面倒だ。てめぇで勝手に想像しろ」


 などと、しょうもないやりとりを経てから、

 蓮手は、やれやれと首を横に振りつつ、


「あのな、閃。この冊子にも書いてあるだろ? ヒーローの真似事は自殺行為だって。お前が死ぬだけなら、俺的にオールオッケーだけど、最悪の場合、俺らにも被害が出るんだからな」


「お前的には、俺が死ぬことは、オールオッケーなのか。俺、どんだけお前に嫌われているんだ……」


「お前のことは好きでも嫌いでもねぇよ。単純に、お前が死のうが生きようがどっちでもいいってだけ。俺的には、俺の命さえ助かれば、それで完璧だってだけの話だ」


「別にその考え方を『悪い』という気はないが、人前で堂々と言うべきことでないのは確かだな。他人がいる場所では『とりあえず人権派を気取っておく』のが常識人としてのマナーだぞ」


「ふふん、俺はサイコパスだから、常識は持ち合わせていない」


「自分で自分をサイコパスっていうやつは、たいがい、サイコパスに憧れを抱いているだけの厨二って相場が決まっているんだよなぁ」


「俺は厨二じゃねぇよ。この右手に宿っている『漆黒の混沌』は本物のダークネスだ。――ん? なにやら、風が騒がしいな。おそらく、今日、世界が終わる」


「教科書から引用したかのような完璧極まりない厨二セリフ。確かに、どう見ても本物のダークネスです。本当にありがとうございました」


 ため息交じりにそうつぶやいてから、


「つぅか、火事とか地震の訓練ならわかるが……なんだよ、『学校がテロられた時の訓練』って……どんだけ頭おかしいんだ、この学校」


「しゃーねぇだろ。ウチの学校には、『国の中枢にかかわっている華族』のガキが何人も通っているんだから。テロられる確率は、『低い』とは言い切れねぇ。もちろん、『占拠される確率が超高い』ってワケじゃねぇだろうが……ありえない話じゃないんだ。つぅか、でかい地震や、本格的な火事が起こる確率よりも、テロリストが攻め込んでくる可能性の方が高いとすら言えるぜ」


「いや、まあ、その考え方も、わからないではないんだけどさぁ……」




「――はい、静かに」




 パンパンと両手をたたいて、クラス内のおしゃべりを止めてから、

 挙茂は、


「流れだけ、サっと伝えておく。今回の防災訓練では、『実戦』を想定した段取りでコトが進められる。――よって、紅院・薬宮・黒木・茶柱の四名は、占拠されると同時、テロリストによって隔離される。紅院、お前たちの『特別扱い』について、何か意見があるなら聞くぞ」


「……別に何もないわ。実戦を想定するなら、むしろ、私たちが、他の面々と同等に扱われる方がおかしいし。ていうか、クレーマーあつかいは不愉快だから、やめてくれない?」



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